プロ野球の新人選手にとって「初勝利」や「初安打」、そして「初安打」といった第一歩目はとても貴重なもの。ウイニングボールは救援投手から、そして本塁打ボールもスタンドから回収され、本人の手元に戻ってくる。
中日の
森繁和監督は、5月12日の
ヤクルト戦(神宮)でプロ初勝利を挙げた
三ツ間卓也からウイニングボールを奪うと、すかさずスタンドに投げ入れるフリ。「やめてください!」と本人を焦らせた。
気になるのはその行方だ。新人選手が元気なのが
楽天。4月6日の
ソフトバンク戦(Koboパーク宮城)で、12球団新人一番乗りとなるプロ初勝利を挙げたドラフト9位の
高梨雄平は「とりあえずいったん寮に持って帰ってから考えます」。4月30日の
日本ハム戦(札幌ドーム)で初白星を手にした同5位の
森原康平は「実家のおじいちゃんにあげます」。
そして5月4日の
オリックス戦(同)で、わずか3球で初勝利を手にした同4位の
菅原秀は、ウイニングボールを「松井(裕樹)にもらいました」とお立ち台で披露し、「お母さんにあげたいです」。5月20日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)で、延長12回に決勝2ランを放った同3位の
田中和基は「今日、応援に来ている親に渡したいです」。
「頑張った自分のご褒美に」と自分の部屋に飾っておくのも悪くないと思うが、やはり感謝を込めて家族にプレゼントにプレゼントするケースが圧倒的に多いようだ。ちなみに高梨は早大3年時に東京六大学春季リーグ戦で完全試合を達成。そのときにはウイニングボールを野球殿堂博物館に寄贈したが、さて、今回のボールの行方は……。
文=富田 庸 写真=大賀章好