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“最強の二番”であるべきロッテの四番・角中勝也

 

ケガからの復帰後、カモメ打線の四番に座る角中勝也


 低空飛行が続くチームの四番を任され、角中勝也は何を思っているだろうか。右内腹斜筋損傷による1カ月以上の離脱を経て、5月23日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で一軍昇格、即スタメン出場。以降、打線の軸となる四番に配されている。

「自分が二番とかを打てるようなチームになれば、もっと強くなると思うんですけどね。まあ自分の考えですけど、タイプ的に自分がクリーンアップを打っているようではまだまだだと思います」

 昨季、主に三番や五番で打線をけん引した角中は、クリーンアップとしての心構えを問われると、「チームを引っ張っていかなければならないという気持ちはもちろんありますけど」と前置きした上で、そう口にしていた。

 当然だ。昨季の首位打者&最多安打に輝いた男が二番に座れば、中軸へのつなぎ役としてはあまりに攻撃的な打線の潤滑油となる。事実、伊東勤監督はオープン戦で二番・角中の形を試し、開幕3戦目から6試合にわたって実戦投入している。しかし、チーム打率が2割前後をさまようという状況が、その継続を許さなかった。

 角中離脱後、攻撃陣の状態が上向かない中で、指揮官は「軸がいない」と嘆き続けた。タイプ的にどうであろうと、角中が軸になれる選手であることに違いはない。戻ってくれば“軸”を任せるのは当然だ。復帰後、四番としての角中は6月4日時点で42打数10安打、打率.238、4打点、10四死球。まだ本来の姿とは言えないが、状態は着実に上がりつつあり、何よりチームとして攻撃陣全体が上向き始めた。

 それでも、角中が四番に座り続けることがチームの、そして伊東監督の理想形であるはずがない。最強クラスの二番打者――カモメ打線が真の復活を遂げるのは、その誕生の時になるはずだ。

文=杉浦多夢 写真=榎本郁也
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