週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

巨人・陽岱鋼、一軍合流で起爆剤に?

 

一軍が11年ぶりの10連敗を喫した6月4日、陽岱鋼長嶋茂雄記念岩名球場で行われたイースタン・リーグのロッテ戦に先発出場し元気な姿を見せる


 背に腹は代えられないということだろう。6月4日に11年ぶりとなる10連敗を喫した巨人は、球団ワーストの11連敗(1975年に記録)を回避するため、切り札として6日の西武戦(メットライフ)から陽岱鋼を一軍昇格させるようだ。

 昨オフ、日本ハムからFAにて加入した陽だが、春季キャンプ中に下半身の張りを訴えて一軍を離脱。リハビリには想定以上の時間を要し、5月30日に三軍で実戦復帰したばかりである。本来ならば、万全を期して交流戦後半での復帰が理想だろうが、首位を行く広島に9.5ゲーム差と引き離され、振り向けば5位・中日が0.5差。期待の新戦力にすがる気持ちも理解できる。

 その陽は実戦復帰4戦目となった6月4日のイースタン・リーグのロッテ戦(長嶋茂雄記念岩名球場)に「四番・右翼」で先発出場し、ハツラツとしたプレーを見せている。同球場のリニューアル式典のために来場していた長嶋茂雄終身名誉監督が見守る前で、第1打席に中前打を放ち、守備でも右前に落ちそうな打球を好捕するなど、順調な回復をアピール。長嶋氏が一軍昇格に太鼓判を押したことも、早期の一軍昇格の後押しになったようだ。

 「一番・中堅」を期待されて加入した陽が、現在のチームに欠けているピースであることは間違いない。開幕から坂本勇人阿部慎之助、C.マギーのクリーンアップが好調で、現在は阿部に代わって村田修一が四番に座り、交流戦6戦3発。ここまで53試合の打順別成績を見ると、三、四、五番のトリオで打率.289、22本塁打、91打点と継続して当たっており、それでもなお得点力不足である原因は、彼らの前を打つ一、二番の出塁率の低さにあった。

 高橋由伸監督も開幕以来、一、二番の人選に頭を悩ませており、6月2日からのオリックス3連戦では、クリーンアップを解体して坂本勇を据える苦肉の策に出たが、陽昇格で問題は解決。二番には同じくこのオフに日本ハムからトレードでやってきた石川慎吾を推したい。圧倒的な攻撃力を誇るパ・リーグの、お株を奪う攻撃的一、二番こそ、低迷打破の起爆剤になると思うのだが、どうだろう。

文=坂本 匠 写真=高塩 隆
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング