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プロ野球デキゴトロジー/6月16日

交流戦から「優勝」が消えたのはセの陰謀?【2012年6月16日】

 

優勝トロフィー、5000万円の賞金ボードとセカパカ君人形とともに笑顔を見せる巨人ナイン


 プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は6月16日だ。

 広島の奮闘はあるが、今年もパが圧倒的な強さを見せる交流戦。2005年からスタートしたが、過去12、14年の巨人以外、すべてパ・リーグの優勝だ。いや、こう書くと「優勝じゃないだろ!」と突っ込まれるか……。試合数が減った15年から「優勝」ではなく、「最高勝率チーム」になった。ひそかに「あまりにセが勝てないから優勝の表現をやめたんじゃないか」と揶揄する声もあったが、もはやパのチームに「優勝をさらわれる」ことがなくなったのは確かだ。

 それはさておき。2012年6月16日は、巨人がセで初めて交流戦王者となった日だ。優勝を決めた楽天戦(Kスタ宮城。現Koboパーク宮城)は「強い巨人」の集大成とも言える戦いになった。初回、阿部慎之助の2点タイムリーなどで、いきなり4点。2回にも谷佳知のタイムリー、坂本勇人の2点本塁打で4点を加え、早々に勝負を決めた。投げては先発のホールトンが7回1失点のピッチングを披露し、高木康成福田聡志とパーフェクトリレー。10対1の圧勝劇を締めくくった。

 交流戦前は、ややもたついていた巨人だが、期間中は投打の戦力がうまくかみ合い貯金を増やし、投げては5月30日の楽天戦(東京ドーム)でノーヒットノーランの杉内俊哉内海哲也の両左腕が4勝ずつでチームをけん引した。

 巨人・原辰徳監督は過去7年にわたり、パが優勝を独占していただけに「ようやくセ・リーグとして一歩踏み出せた」と笑顔を見せた。ただ、当時の「週刊ベースボール」の記事には「セの暗黒時代に終止符」とタイトルがあったが、以後を見ると、残念ながらとても「終止符」とは言えない。

写真=高塩 隆
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