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プロ野球デキゴトロジー/6月17日

史上唯一、抑え投手で優勝が決まった? 横浜・佐々木主浩“大魔神イヤー”【1998年6月17日】

 

試合後、記念の花束を受け取る佐々木


 プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は6月17日だ。

 横浜ベイスターズ(現DeNA)が大洋ホエールズだった1960年以来の優勝、日本一に輝いた1998年。マシンガン打線が猛威を振るってチームを勢いに乗せたが、異論を承知で書かせてもらうと、史上初めて抑え投手の力でリーグ優勝が決まったシーズンでもあった。

 その男の名は、佐々木主浩。剛速球と魔球の域にあったフォークボールを武器に相手チームを完ぺきに抑え込んだ守護神、いや異名どおり、大魔神だ。現在の守護神・山崎康晃の異名「小さな大魔神」も、もちろん、ここから来ている。佐々木は、この年51試合に投げて1勝1敗45セーブ。防御率はなんと0.64でMVPにも輝いている。

 1998年6月17日は阪神戦(横浜)で17試合連続セーブの日本新記録を作った日だ。この年の3試合目から始まった記録だが、その前の2試合を含め、失点0で記録を続けていた。

 9回表に登板し、先頭の新庄剛志にレフト前に運ばれ、犠打で一死二塁とされたが、ここから連続三振で新記録達成。最後の打者・八木裕には、すべてフォークで3球三振だったが、試合後の言葉がすごい。

「バットに当てさせると何があるか分かりませんからね」

 分かっても打てない魔球フォーク。その球に込めた佐々木のプライドが感じられる。記録は22試合まで伸び、その間も失点ゼロ。巨人長嶋茂雄監督は「横浜戦は8回までに試合を決めろ。最後は魔神がいる(長嶋監督は大魔神ではなく、魔神と言っていた)」とミーティングで言っていたという。

写真=BBM
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