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“ミスタープロ野球”長嶋茂雄の立教大学野球部への愛

 

国際武道大との決勝。立大OB・長嶋氏(巨人終身名誉監督)が神宮に観戦に訪れた


『大学野球2017春季リーグ戦決算号』(週刊ベースボール6月27日号増刊)は6月21日に発売されるが、この春は立大の見事な復活劇に神宮は沸いた。

 21世紀初、35季ぶりに東京六大学リーグ戦を制すると、第66回全日本大学野球選手権大会では1958年以来、59年ぶりの大学日本一。巻頭カラーでは立大を総力特集していく。

 6月11日。大学選手権決勝は試合開始2時間前から何やら、慌ただしい空気が流れていた。立大は大会連覇を遂げた1958年以来の決勝進出。立大OB・長嶋茂雄氏(巨人終身名誉監督)が応援に来るとの情報が、「幹事者連絡」で回ってきたのだ。

 決勝の試合開始は13時。12時45分には神宮に到着するとのアナウンスがあった。しかし、交通事情で、どうなるかは分からない。各社カメラマンは車が着く、神宮正面ゲート前で待機。当然、この段階では一般ファンには知らされておらず、場外はいつもの光景であった。

 12時40分過ぎには、立大OB会幹部、大会関係者らがお出迎え。試合開始から1分後の13時4分、ミスターは到着。笑顔で球場入りし、貴賓席へ向かった。神宮の貴賓席はテレビブースのある中2階の中央に位置。かつては天皇陛下が東京六大学リーグをご観戦された場所でもある。

 窓などの仕切りがないため、ミスターの登場に、観衆はいち早く気付いた。試合途中に立ち上がると、客席からは大歓声。場内が自然と、立大ムードに包まれた。

 大先輩の後押しもあって、立大は打線が爆発して59年ぶり4度目の大学日本一。長嶋氏は後輩の歓喜を見届け、スタンドを引き揚げた。

 帰り際には約5分、報道陣のインタビューに対応した。長嶋氏は「良かった」を連呼。車に乗り込む際には、スマホを片手に出待ちのファンが大挙押し寄せ、大フィーバーだ。

 国民的スターである「ミスタープロ野球」の存在感の大きさをあらためて証明。1万2000人の観衆は長嶋氏の母校愛に触れることができたのが、何よりの喜びだったようだ。
文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎
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