甲子園の三塁後方にやや不穏な空気が流れている。この写真だけを見ると
阪神のショート、
北條史也が大先輩・
鳥谷敬を放り投げているように見える。
妄想だけで言うなら、どうしても古巣ショートを守りたがる鳥谷を「あなたはあっちでしょ!」と三塁側に北條が放り投げているのだが、それなら、このコーナーで扱うようなものではなく、まさに球史に残る大事件だ。もちろん、違うし、方向も逆。
実は、これ、この試合の8回表、
松井稼頭央の三塁後方へのフライを追った鳥谷と北條が衝突したシーン。ラインの位置を見ても、かなり上空で風が舞っていたことが分かる。
ZOZOマリンほどではないが、浜風の吹く甲子園のレフト方向の打球は難しい。このときはなんとか鳥谷が飛びついて捕球したが、まさに三塁手、遊撃手を悩ます危険エリア1だ(鳥谷が背番号1)。いや、それほど大袈裟ではないか。
写真=早浪章弘