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清宮幸太郎よりも怖い!? 早実2年生・野村大樹のバット

 

現在、高校通算40本塁打の野村。清宮の後を打つ四番として、精神的にも強い


 6月26日発売の『第99回全国高校野球選手権東・西東京大会展望号』では、東大会(134チーム)と西大会(128チーム)の全出場校の戦力分析、注目選手を掲載している。

 日本高等学校野球連盟は6月16日、U-18ワールドカップ(カナダ)に出場する侍ジャパン高校代表の一次候補30人を発表した。

 昨年のアジア選手権(台湾)は全員3年生だったが、今回はこの段階で、3人の2年生が含まれている。そのうちの一人が早実・野村大樹である。1年夏から四番を任され、不動の三番・清宮幸太郎の後を打つ。

「日本で一番、難しい打順です」

 早実の強さの根源は「野村が機能しているから」と、見る向きが強い。清宮が1年夏、四番には2学年上で、高校通算47本塁打の主将・加藤雅樹(現早大2年)がいた。「KK砲」が活躍した同夏は甲子園で4強進出。だが、加藤が抜けた同秋は都大会2回戦敗退。翌春も2回戦敗退と、ノーシードで夏を迎えるという、厳しい現実を味わった。

 しかし、新戦力・野村の入学でその状況が一変した。相手校にしても、清宮一人を警戒するわけにはいかず、一発ある1年生も、より気を使わなければいけない形となった。ピンチの場面でも、そう簡単に清宮を四球で歩かせるわけにはいかない。勝負強い野村に痛打され、さらに傷口を広げる可能性があるからである。今春のセンバツ1回戦で対戦した明徳義塾・馬淵史郎監督も「野村のほうが怖い」と言っていたほどだ。

「日本で一番、難しい打順」も、野村でなければ務まらない。とにかく、精神的に強い。西東京大会を迎えるまでに高校通算40本塁打で、清宮の同時期(50本塁打)に迫るハイペース。清宮は現在103本。歴代1位とされる神港学園・山本大貴の記録まであと4本となっているが、来年は野村の「清宮超え」に注目が集まる。

 バットだけではなく、今夏は三塁から捕手へコンバート。中学時代から慣れ親しんだポジションであり、むしろ、やりがいを感じているという。早実は投手力がやや不安なだけに、今夏は「KK砲」が今春のセンバツに続く甲子園出場のポイントと言える。

 話は早いが「打てる捕手」として、来年のドラフトの目玉でもある野村。とはいえ、大学進学と野球との両立を目指し、大阪から上京してきた背景がある(同志社中出身。高校、大学とルートがほぼ約束されていたが、甲子園と勉強が両立できる早実を志望)。清宮と同様に、卒業後の進路にも注目が集まりそうだ。
文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎
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