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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

同級生が抱くロッテ・井口資仁への思い

 

小林雅コーチをはじめ、チームメートには会見当日の練習前に引退を伝えたという井口


 43歳を迎える年に現役を退くことを発表した井口資仁へ、多くの同世代の野球人が労いの言葉を送った。もちろん、小林雅英・現ロッテ投手コーチもその1人だ。

 大学時代、青学大の井口資仁は文字どおり東都リーグのスーパースターだった。時を同じくして首都リーグで腕を振るい、最優秀投手にも輝いていた日体大の小林雅にとっても、それは変わらなかった。「大学では1ランク、2ランク上の選手でしたから」。

 東京ガスを経てロッテにドラフト1位指名を受け、プロの世界に飛び込むと、1999年4月7日のダイエー戦(北九州)、プロ初登板の試合で迎えた2人目の打者が井口だった。そして、見逃しで自身プロ初となる奪三振を記録した。「(プロ初登板は)緊急登板だったんですけど、パッと見たら知っている顔がいたので、落ち着けましたね」。

 数々の栄光を手にし、ともにMLB移籍も経験。2008年はそろってアメリカの地で躍動した。小林雅は一足先に現役を退いていたが、投手コーチとして15年に古巣ロッテへ復帰すると、選手とコーチという立場は違えど、奇しくも今は同じユニフォームに袖を通している。

「(プロに入る)順番や、(選手とコーチ、球団などの)立場は変わりながら、20年いっしょにやってこられた。この歳までやれているというのは素晴らしいし、いろいろな経験をしているので、球界にとっても(井口の存在が)財産だと思う」(小林コーチ)

 ついにユニフォームを脱ぐ決断をした世代のアイコンたる井口への言葉は、多くの同級生たちの思いを代弁するものかもしれない。

文=杉浦多夢 写真=ワンダン・ダワー
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