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高校野球リポート

早実・清宮幸太郎「野球の神様に愛されて」

 

選手宣誓を行った清宮


 珍しく、自画自賛だった。

 7月8日、第99回全国高校野球選手権東西東京大会の開会式が神宮球場で行われた。選手宣誓は春の都大会優勝校の主将が行う慣例があり、早実・清宮幸太郎(3年)が務めた。

 75秒。常にバットでスタジアムを魅了してきたスラッガーだが、この日は一言一句に気持ちがこもった「清宮劇場」であった。

 過去の甲子園、東・西東京大会の開会式映像を見て、伝えたいメッセージを羅列。定期試験前に原案を考え、「暗記したのは、試験後です。試験の流れで……(苦笑)」と、本番は一度も噛むことなく、立派な宣誓だった。

 冒頭の「私たちは野球を愛しています」は「(6月22日に亡くなった)小林麻央さんが言っていた言葉がすごく印象に残っているのがあった」と明かし、「好きと言うよりも、愛しているのほうが、もっと、思いが伝わるかなと思った」と、開会式後に説明した。

 末尾は「野球の神様に愛されるように、全力で戦うことをここに誓います」で締めた。

 清宮が言う「野球の神様」――とは?

「ずっと高校野球をやってきて、運も味方につけないといけない。フェアプレーをして、高校球児らしくしていけば、野球の神様も味方にしてくれる。自分たちを愛してくれて、勝ちにつながる」

 試合後のインタビューで毎度のように飛び出す質問は、自己採点だ。清宮幸太郎はいつも野球の結果に対しては己に厳しいが、この日は「100点」と即答した。「なかなかないので……。終わって、ホッとしています」。

 さて、清宮と言えば、宣誓にもあるように「全力プレー」が代名詞。主将としてチームを鼓舞し、試合後はいつも声がかすれている。さすがに、開会式に備えて、前日は「(声が)荒げないように、整えてきました」と報道陣を笑わせた。15日に初戦(3回戦)を迎えるが、もう、声量の心配は無用である。

 次回、神宮で清宮の肉声が聞けるとすれば、西東京大会で優勝した際の場内インタビュー。

「昨年は悔いが残った(準々決勝敗退)。優勝旗を取り返したい」

 開会式の主役が、閉会式でもヒーローとなるか!? そして、どんな名言が飛び出すか「清宮劇場」注目である。
文=岡本朋祐 写真=松田杏子
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