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鋭い目力!プライドを胸に野球部を鼓舞する横浜高応援団団長

 

横浜高応援指導部・正木団長の目力に思わず、圧倒されてしまう


 学生服を着て、猛暑のスタンドを縦横無尽に駆け回る。グラウンドでプレーする野球部に負けないほど、ハードな動きだ。

「団長は苦しい顔を絶対、見せない」

 そう明かすのは、横浜高校応援指導部顧問の先生。写真撮影の際、団長・正木翔(3年)の精悍な表情、その目力に思わず、圧倒されそうだった。横浜高はスタンドの強力援護もあり、7月18日の県大会3回戦(対秀英高)を突破(9対2)している。

「3年間、厳しいこともあったが、誇りを持って活動してきた。勝負事ですので、スキは見せられない。相手を威圧しないといけない」

 父が横浜高校OB。野球好きで、正木は小学校5年時、親に連れられ、横浜スタジアムで夏の神奈川大会を観戦した。

「柳さん(裕也、明大−中日)が投げていましたが、グラウンドよりも、応援団をずっと見ていたんです。かっこいいなあ、と。あこがれました」

 以降、夏は毎年「2回以上は観戦した」と言うほど、横浜高校の応援に心酔してきた。筋金入りの愛校心である。

 中学3年までは9年間、サッカーのDFとして活躍。高校入試の際は「横浜一本です!!」と志望校に進学し、応援指導部の門をたたいた。

 2年夏の甲子園を経験し(2回戦敗退)、「この夏は甲子園でリベンジする。まずは神奈川大会連覇ですが、全国制覇へ導くために、スタンドを盛り上げていきたい」と気合がみなぎる。正木は名門・横浜高校野球部を応援するプライドを胸に、また、団長として学校の看板を背負う強い自覚がある。

 だが、「部員不足」という切実な問題も抱える。現在、3年生3人、2年生1人。つまり、正木団長の代が引退すると、部存続の危機を迎えるのだ。

「今も、学校で勧誘しています。卒業するまでには、一人でも二人でも入ってほしい」

 顧問の先生によれば、毎年、夏の応援を見た上で入部を希望する生徒もいるという。準決勝からは全校応援で、絶好のアピールの機会となる。

 横浜高は2020年4月から男女共学となる。横浜高の応援曲はノリが良く、率いるリーダーも男の中の男!! まさに、夏の風物詩である。神奈川高校野球における“伝統文化”を途絶えさせないことを願うばかりだ。
文=岡本朋祐 写真=BBM
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