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記録の周辺

47年前のヤクルト16連敗を振り返ると

 

連敗地獄から抜け出せないヤクルト・真中監督


 ヤクルトが7月19日のDeNA戦(横浜)に敗れ、ついに連敗は「13」にまで達した。いまだ、7月勝利なし。各メディアには「47年ぶり」という文字が盛んに躍る。そう、47年前の1970年、ヤクルト(当時アトムズ)はセ・リーグでワーストとなる16連敗を喫していたのだ。

 当時の記録を振り返ると、8月2日の広島戦(広島)を2対5で落とすと、同25日の中日戦(神宮)に0対2で敗れるまで、およそ3週間で16連敗。翌日の同カードに2対1で勝利し、ようやく長いトンネルを抜けることとなった。

 当時の週刊ベースボールがこの事態をどう報じていたのか。気になったので書庫からバックナンバーを引っ張り出し、ページをめくってみた。9月7日号の表紙は阪神村山実で、巻頭グラビア(当時はモノクロ)では夏の甲子園決勝でPL学園高を破り、悲願の初優勝を果たした東海大相模高の歓喜シーンがあった。

 そして、26ページから4ページにわたり、ヤクルト連敗に関する特集記事が展開されていた。そのタイトルは「別所ついに退陣! 次期監督に鶴岡確実」(結局、このプランは実現せず。翌年から3シーズンは三原脩が指揮を執った)。本文中には、8月20日に別所毅彦監督が東京・駒場の自宅に松園尚巳オーナーの訪問を受け、解任を告げられたことが記されていた。また、小見出しには「解任はオーナーの身代わりだ」、「十連敗で打出された解任決議」(原文ママ)など、刺激的な言葉が並ぶ。

 さらに進むと、プロ野球時評という連載コラムで「ヤクルト政変」なる不穏なタイトルを発見。その内容は、別所監督の解任と、小川善治代理監督の就任についてだった。実にドロドロとしたお家騒動。別ページでは「一生懸命やります」という小川代理監督の就任コメントと、「残りゲームに全力を出してほしい」という解任された別所監督のコメントが写真とともに4ページにわたって載っていた。

 大型連敗が監督人事に直接的な影響を及ぼすことは、今も昔も変わらない。現在の衣笠剛球団社長兼オーナー代行は、今季2度目の10連敗を喫した7月12日の時点で真中満監督について、「現時点でどうこうということはない」と語っていたが……。これ以上連敗が続くようなら、そう悠長に構えてはいられないはずだ(6月の株主総会では、すでに株主から厳しい質問を浴びている)。打てない、守れない現在のヤクルト。この窮地からのV字回復はあるのか。そして、負けが込んでやつれているようにも見える真中満監督の行く末は――。

写真=大泉謙也
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