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高校野球リポート

早実・清宮幸太郎に聞いてはいけない質問

 

果たして、清宮はどのような進路を選択するのか


 早実・清宮幸太郎(3年)は毎試合後、報道各社のインタビューに応じるが、100人ほどが囲む周辺では、学校関係者が耳をそばだてている。

 清宮に聞いてはいけない質問があるからだ。

 1つは過去の話。2015年ラグビーワールドカップで大躍進を見せた日本代表で、五郎丸歩選手が大活躍した。同選手は清宮の父・克幸氏(トップリーグ・ヤマハ発動機監督)の教え子であり、キックの際のルーティンも大きな話題となった。

 元ラガーマン・清宮も打席に入る際の流れを大事にしている。ちょうど、1年秋の都大会期間中ということで、五郎丸に関するさまざまな質問が飛んだ。しかし、同試合以降は「野球に関係のないことなので……」と学校関係者から質問NGの要望が入った。

 もう1つは進路話題だ。自身の代となる2年秋以降が、最高学年の扱いとなるため、通常は卒業後の動きについての質問が“解禁”となる。しかし、学校サイドはこの件に関しては秋の都大会の段階で「ご遠慮いただきたい」となり、夏の大会が終わるまでは一切、触れてはいけない“ルール”となった。

 だが、文面等で周知徹底されているわけではないので、事情を知らない記者が、話を振ってしまう可能性がある。そこで、危機管理のため、学校関係者が控えているのだ。

 7月25日に西東京大会準々決勝を戦う早実。勝ち進んで2年ぶりの甲子園出場を決めれば、結論は先延ばしになる。また、清宮は9月1日に開幕するU-18ワールドカップ(カナダ)の侍ジャパン代表の候補でもあり、選出されれば、さらに先になることが濃厚だ。

 大会は現地時間10日までで、帰国は日本時間12日の予定。ただ、早実がえひめ国体(夏の甲子園で8強以上が原則)に出場ともなれば、大会は10月6〜9日に開催される。ドラフトは10月26日で、プロ志望届の提出期限は例年ならば2週間前に設定されるため12日。極端な話、「最終結論」は帰京後でもギリギリ間に合うスケジュールなのだ。

 早実は早大の系属校であり、大学進学が既定路線だが、そうもいかない事情がある。清宮は2017年ドラフトにおいては「超目玉」。仮にプロ志望届の提出を回避すれば、各球団のドラフト戦略は再考に迫られる。

 果たして、清宮の決断は――。

写真=菅原淳
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