8月2日の広島戦(マツダ広島)で貴重な逆転打を放ったロジャース。虎の救世主となるか
阪神の
ジェイソン・ロジャースが光る働きを見せている。今季7月に入ってから途中入団した新助っ人は7月18日に一軍初出場を果たすと、以後勝負強いバッティングを見せ、虎の100代目四番に定着。8月2日の広島戦(マツダ広島)では、2対3とリードされて迎えた9回表、一死満塁から左翼線に逆転の決勝2点適時打、3日にも先制タイムリーと、いまや救世主的存在となっている。
メジャー時代のニックネームは、その大きな体もあって「パンダ」とかわいらしいが、パワフルかつクレバーなバッティングは、広島だけでなく、セの他球団の脅威となりつつある。
過去、日本球界の助っ人で、動物のニックネームがついた選手を探してみると、さほど多くはないが、少し変わったケースが多い。
1988年に
ロッテでプレーしたマドロックの「狂犬」は、メジャー時代のニックネーム「マッド・ドック」を訳しただけだが、89年
ヤクルト、90年には阪神でプレーし、89年はホームラン王にも輝いた
パリッシュは「ワニ男」とオドロオドロシイ(男がついているから動物じゃないが)。これ、入団会見で好物を聞かれ、「ワニの肉」と答えたからだ。豪快な風貌もあって定着したが、出身地のフロリダでは、よく使われる料理の素材らしい。
2000年
中日に入団したデーブ・ニルソンは、ニックネームどころか登録名として「
ディンゴ」(オーストラリアの犬)とした。さらに90年、「ワニ男」パリッシュの途中退団の後、阪神に入団したウェリグマンは「ウグイス」だ。なんともかわいらしいが、これは鳥が好きとか声がきれいとかいう気の利いた理由からではない。
阪神での登録名は「ウィッグス」としたのだが、当時の
川藤幸三コーチが、「呼びにくいのお。お前はウグイスや。ウグイスで十分」と言い放ち、以後、ずっと「ウグイス」と言い続けただけ。ほかは誰もその呼び方をしなかったという。
このうち1年半在籍のパリッシュを除けば、すべて来日は1年だけ。ディンゴに至っては打撃不振で8月には退団している。さて「パンダ」ロジャースは、“動物助っ人”のジンクスを変えられるか。
写真=前島進