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高校野球リポート

この球児に注目せよ! 今夏の聖地を彩る選手たち

 

2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭高のエース・徳山


投げるだけでなく、打撃でも非凡なセンスを見せる徳山


 8月8日に開幕する第99回全国高校野球選手権大会。今夏の聖地を彩る注目の球児を見ていこう。

 投手では今春センバツを制した大阪桐蔭高(大阪)の徳山壮磨に注目が集まる。最速147キロを誇る右腕で、キレのあるスライダーと、丁ねいにコーナーを突く制球力が持ち味。センバツ決勝以来の顔合わせとなった履正社高との府大会準決勝では4失点完投し、打っても左越えの本塁打を放つなど打力も高い。どんな展開でも冷静さを失わない右腕が5年ぶり、そして史上初となる同一校2度目の春夏連覇を目指す。
 
 関東勢では前橋育英高(群馬)の皆川喬涼、花咲徳栄高(埼玉)の綱脇慧清水達也の二枚看板など“右腕”が目を引く中で、今夏から木更津総合高(千葉)の“左腕”・山下輝が急成長を遂げている。昨春夏連続で甲子園8強入りした旧チームでは「七番・一塁」で出場。1学年上の左腕・早川隆久(現早大1年)の背中を見て育ち、3年夏に“勝てる投手”に。習志野高との今夏の県大会決勝では、相手ブラスバンドの“美爆音”にも冷静さを欠くことなく3失点完投。3回戦から5試合連続完投のうち3完封と、149キロ左腕が絶対的エースとなり、チームを甲子園出場に導いた。

 昨春から今春センバツまで3季連続4強入りした秀岳館高(熊本)では、旧チームからマウンドに上がっているW左腕エース・田浦文丸川端健斗から目が離せない。ともに実力は実証済みだが、今夏の初戦は大会4日目の第2試合で名門・横浜高(神奈川)との対戦に。優勝候補同士の一戦への注目度は増すばかり。最後の夏に悲願の決勝進出、そして深紅の優勝旗をつかみとれるか。

 全国デビューとなる逸材も。3年ぶりの出場を決めた広陵高(広島)のエース左腕・平元銀次郎は、同校では異例とも言える、1年春からマウンドを経験。最速146キロ、カーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシームと多彩な変化球を操る一方、要所では内角に直球を投じる大胆さも武器。受ける捕手・中村奨成とは1年春からバッテリーを組み、ともにU-18日本代表第一時候補入りするなど、その実力は誰もが認めるところ。阿吽の呼吸で全国舞台に挑む。

強力・横浜高打線をけん引する増田


力強いスイングから強烈な打球を飛ばす増田


 捕手では横浜高の福永奨、高校通算28本塁打を誇る神戸国際大付高(兵庫)の猪田和希と“強打の捕手”2人に注目。福永は今夏の県大会でも本塁打を放ち、猪田も県大会7試合で4本塁打をマーク。14打点と勝負強さも光る。

 横浜高には高校通算33本塁打を誇る右のスラッガー・増田珠も。5回戦から4試合連続で、準決勝で2本のアーチをかけて計5本塁打。東海大相模高時代の大田泰示(現日本ハム)と並ぶ大会記録で、4試合“5発”は新記録だ。県大会チーム計14本塁打を誇る強力打線をけん引する。

 巧打者もズラリ。花咲徳栄高(埼玉)の西川愛也は高校通算30本塁打で、今夏の県大会でも4ホーマーも、うち2本はランニング本塁打。100メート走11秒台の俊足も武器で、ときに逆方向にも流し打つ巧みなバットコントロールも売り。U-18日本代表第一候補入りした作新学院高(栃木)の鈴木萌斗もヒットメーカーとして打線をけん引。史上7校目の夏連覇を目指す。昨夏のVメンバーでもあり経験豊富なバットマンの成長した姿に注目だ。

 プロのスカウトも注目する選手も多く出場する今夏の甲子園。とはいえ、開幕後に評価を上げる選手も少なくはないだけに、球児たちの一投一打から目が離せない。

写真=BBM
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