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王貞治756号本塁打40周年記念企画

【王貞治756号本塁打(1)】星野仙一から連発!「世界一」へあと10本

 

1977年、今から40年前、大げさではなく、日本中がプロ野球に熱狂した時期がある。王貞治のハンク・アーロンが持つ当時のメジャー最多記録通算755号本塁打への挑戦だ。メジャーは、はるかに上のレベル、まったく違う世界と誰もが思っていた時代に、比較することが正しいかどうかは別とし、一番華々しいホームランの数で「世界記録」を抜き去る可能性が出てきたのだ。巨人ファンだけでなく、いやプロ野球ファン以外も巻き込んだ熱狂は、当時を実体験していない若い野球ファンには、想像すら難しいかもしれない。週刊ベースボールでは、9月3日、756号の世界新記録達成までのカウントダウンを当時、王がホームランを打った日に合わせながら、写真とともに振り返る。

9回一死、フルカウントから放った2ランは、推定飛距離110メートル


 まず、744本で挑んだ8月9日の中日戦(ナゴヤ)からだ。試合前から「今日は最高に調子がいい」と言っていた王は、5回表にベンチを出るとき「打ってくるよ」と宣言して入った打席で、中日先発・星野仙一の初球を完ぺきにとらえ、29号。

 さらに最終回、やはり星野から30号をライトスタンドに叩き込み、16年連続の30号本塁打。これは62年7月1日、初めて「一本足打法」で放ったホームランから数え、700号でもあった。

 それでも試合が7対11と敗れたこともあり、「30本が目標ではない。40本がノルマだ」と、試合後の王の表情は硬いままだった。

 対戦した星野は、誰から王が新記録を打つかというファンの投票で、1位になった男だ。

「僕はいつも王さんに真っ向勝負をしているからだろう。2本とも直球。打つなら打ってみい、と思って投げたんだ」

 これで通算746号、新記録達成まで、残りは、あと10本となった。

<次回へ続く>

写真=BBM
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