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侍ジャパンU-18戦記

【侍ジャパンU-18戦記(05)】寒暖差もなんのその!メキシコに大勝で好発進

 

現地時間9月1日から始まる「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」。清宮幸太郎を主将とした“高校生ジャパン”がカナダで世界を相手に奮闘を繰り広げる。悲願の世界一へ――。若きサムライたちの戦いを追う。

センバツの時期と同じ寒さ


寒さから、スタンドではホットコーヒーが飛ぶように売れていた


 夏の甲子園大会期間中、チーム関係者から「カナダは寒いですよ」とは聞いていた。

 どの程度なのかを確認すれば「センバツ(春の甲子園)くらいです」とのこと。

 日本から防寒具を準備していったが、サンダーベイ入り後は3日間、20度以上の温暖な日が続いた。しかし、朝晩はやはり、10度以下となる。メキシコとの初戦は朝9時30分プレーボール。侍ジャパンU-18代表は朝7時30分に宿舎を出発し、8時前に調整場所のサブグラウンドに到着した。この日は凍えるほどに、冷え込んでいた。手袋がないと、指先が動かないほど。確かに3月下旬の甲子園、センバツ大会を感じさせる空気が流れていた。

 大会のメーン会場である「ポートアーサー」。この日は地元・カナダの開幕戦(対チャイニーズタイペイ)が第3試合に組まれており、チケットは完売とのこと。第1試合、日本とメキシコとのオープニングマッチにも、地元ファンが早くからスタンドに来ていた。パンフレットを購入する観衆も多く、サンダーベイの野球熱の高さを知ることができた。

 プレーボール後もやはり、寒い。日本から視察に来たNPBスカウトも、まるでセンバツのように、ダウンジャケットを着ている。そして、ホットコーヒーが飛ぶように売れていた。販売場所はスタンド下。客席へ持っていく途中、地元ファンから「どこで売っているんだ!!」と言っているような英語で声を掛けられたので「Down here!!」。すると「Thank you!!」。何とか通じたようだった。

 試合途中から日差しが出てくると、終盤はポカポカ陽気。侍ジャパンU-18代表は理想的な試合運びで10対1とメキシコに快勝した。日本での国内合宿は連日、30度以上の暑さの中での調整。分かっていたとはいえ、この寒暖差の中でも、きっちり照準を合わせてくる選手たちは立派である。全国約16万人の高校球児から選ばれた20人の精鋭。悲願の世界一へ、好発進した。

<次回に続く>

文=岡本朋祐 写真=BBM
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