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侍ジャパンU-18戦記

【侍ジャパンU-18戦記(14)】来年はこの男が世代を引っ張る!

 

現地時間9月1日から始まる「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」。清宮幸太郎を主将とした“高校生ジャパン”がカナダで世界を相手に奮闘を繰り広げる。悲願の世界一へ――。若きサムライたちの戦いを追う。

侍にふさわしい一番打者


3位決定戦のカナダ戦でも一番でスタメン出場し、2安打を放った藤原


 やはりモノが違う。

 2年生ながら不動の一番を任された藤原恭大(大阪桐蔭)には“オーラ”があった。

 今大会、不慣れな異国での生活に始まり、試合ではストライクゾーンの違い、木製バットの対応など、ストレスを挙げればキリがなかった。

 しかし、どんな展開になっても、背番号28は表情一つ変えない。高校野球で流行の応援歌で言えば「自分の世界がある♪」。まさに「SAMURAI」にふさわしいリードオフマンだった。

 日本時間9月10日、韓国とのスーパーラウンドで敗れ、日本は決勝進出を逃したが、絶対に下を向かない。翌日のカナダとの3位決定戦を控え、すぐに気持ちを切り替えていた。

小園海斗(報徳学園)と自分が2年生で選ばれて、次につなげる試合。負けない試合をして成長したい」

 10日間で9試合目の超過密日程。かつてない連戦であり、疲労はピークだったに違いない。だが、この極限状況の中でも藤原は2本の左前打(うち1本は適時打)を放ち、日本の銅メダル獲得に貢献した。

 3年生から学ぶべき姿勢も多かった。

「清宮さん(幸太郎、早実)は頼りになるキャプテン。すごい打者だし、良い先輩だった。みんなを引っ張っていこうという姿勢はすごいなと思った。また、来年も選んでいただけるよう、チームに戻ってからはこの経験を同級生、後輩に伝え、大阪桐蔭で日本一を取りたい。残り1年、悔いのない高校野球を過ごすためにも、しっかり準備して戦っていきたい」

 2018年は春のセンバツは90回、夏の選手権が100回の記念大会。藤原は節目の年に「この世代を引っ張っていく。一番になりたい」と自覚十分である。

文=岡本朋祐 写真=早浪彰弘
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