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プロ野球デキゴトロジー/9月14日

優勝争いの中で広島・山内泰幸が新人王当確の14勝目【1995年9月14日】

 

新人王に輝いた山内(右)。左はパの新人王、オリックス平井正史


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は9月14日だ。

 連覇を目前とする広島。ただ強いだけではない。最後まで勝負をあきらめない姿勢で何度も奇跡のような逆転劇を生んできた。

 2015年以前の優勝は、1991年までさかのぼらなければならないが、その間、ずっと低迷していたわけでない。96年はメークドラマでひっくり返され、3位に終わったが、最後まで「あきらめない姿勢」を貫いた。

 首位・ヤクルトに差をつけられての2位に終わった95年もそうだ。最後の最後まで鯉の戦士たちはあきらめなかった。

 終盤の9月13日、ヤクルトに6ゲーム差をつけられて迎えた横浜戦(広島市民)で40歳と15日目のベテラン・大野豊が完封。さらに翌14日、「寮で大野さんのピッチングを見ていて気合が入った。僕も完封を狙っていたんですが」とマウンドに立ったのが、新人・山内泰幸だ。

 巨人中日の誘いを断り、日体大からドラフト1位(球団初の逆指名)で入団した右腕。左足を上げるときに右ヒジを高く上げる独特の投球フォームが、ピンク・レディーの大ヒット曲『UFO』の振り付けに似ていることから「UFO投法」とも言われ、話題となった。

 山内は、この日、被安打4の1失点完投で14勝目。ほぼ新人王を確定させた。巨人キラーとしても知られ、この年は巨人戦6勝無敗。その後、97年に初黒星がつくまで10連勝としている。

 土壇場での連勝に、三村敏之監督も「やってくれる予感がした。お客さんに、もう少し楽しんでもらいましょうか」とニヤリ。結局、首位・ヤクルトに8ゲーム差の2位で終わったが、十分、意地は見せたシーズンだった。

写真=BBM
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