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ロッテ・荻野貴司は変革の一翼となれるか

 

俊足を生かした活躍が期待されるロッテ・荻野


 9月25日時点でパ・リーグの最下位に沈むロッテ。伊東勤監督やベテラン内野手の井口資仁の引退など、変革を強いられる来季の先導役を期待されるのが、俊足外野手の荻野貴司だ。

 毎年のように故障に悩まされていたが、今季は大きなケガはなく、2013年以来の350打席超えを果たした。前半戦の打撃不調には「悔いが残る」と悔しさを見せたが、9月は25日までに月間打率4割に迫る好成績をマーク。主に二番・中堅として自慢の快足を飛ばしてきた。

 真価が発揮されたのは9月12日のオリックス戦(ZOZOマリン)。先制した直後の1回一死一、三塁の場面で打者の福浦和也がショート後方へのフライを打ち上げると、三走の荻野はタッチアップの体勢へ。相手ショートがホームに背を向けて捕球すると同時に猛然とホームに突っ込み生還。内野フライでの犠飛を成功させた。

「『行こう』と決めたのはショートが捕ってから。捕球の体勢が悪かったのでいいボールは投げられないはずだと考え、自分としては確信というか、『行ける』と思っていました」

 8回には決勝タイムリーを放つなど7対5の勝利にバットでも貢献したが、やはりその12球団屈指の走力のインパクトは大きかった。

 9月24日に引退試合を行った井口とは、荻野が遊撃手に挑戦したプロ2年目に二遊間を組んだ。

「僕がケガをしてしまい少しの間でしたけど、日本を代表する内野手の井口さんと組めたことは思い出に残っています。プレーを見て勉強させてもらいましたね。井口さんは今でもうまいですし、キレもあって本当にすごい」と敬意を払う。

「40歳を超えてもプレーするなんて考えられない。僕は1年1年が必死です」

 来季こそ不動の存在へ。「今の状態を来年につなげていきたい」と、最後まで1試合1試合を大切にするつもりだ。

文=吉見淳司 写真=大賀章好
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