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プロ野球デキゴトロジー/9月27日

史上まれにみる珍妙な没収試合【1946年9月27日】

 

終戦後のプロ野球の人気者・大下。遊び人としても知られていた


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は9月27日だ。

 終戦後まもなく、珍妙な「没収試合」があった。試合中にもめたとか、そういうことではまったくない。

 1946年9月27日のことだった。西宮球場でのゴールドスター対セネタース戦は午後1時試合開始予定だったのだが、セネタースの選手がそろわず、1時27分、球審によって「没収試合」が宣告された。

 ゴールドスターは関西のチームで、東京から来ていたセネタースは西宮から電車で15分の宝塚に宿舎があったという。前夜から雨が降り続いていたが、球場周辺は午前11時過ぎにはあがり、ゴールドスターの選手たちは11時30分ごろから打撃練習を始めていた。

 だが、セネタースの選手が現れない……。なんとか関係者と連絡が取れ、明らかになった事実がすごい。雨があがらず、試合中止だと思ったセネタースの選手たちが、早々と遊びに出かけてしまい、連絡が取れないというのだ。

 正午過ぎになって、ようやく4、5人の選手がやってきたが、これではとても試合にならないと、没収試合が宣告され、ゴールドスターが9対0の勝利となったわけだ。

 当時、携帯電話などあるはずもなく、セネタースの宿舎に電話があったかどうかも定かではない。ただ、青バットの大下弘をはじめ、遊び人が多かったと言われるチームながら、午前中から選手が総出で遊びに出かけてしまうって、いくらなんでも……。

写真=BBM
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