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ドラフト候補の肖像

【ドラフト候補の肖像】日立製作所・菅野剛士 左打者のドラフト対象選手では最上位!侍ジャパン社会人代表の五番

 

明大では高山俊(阪神)、上原健太(日本ハム)と同級生


日立製作所・菅野は侍ジャパン社会人代表として出場したアジア選手権で、2大会ぶりの優勝に貢献した


 間違えられたことは一度や二度ではない。しかし、日立製作所・菅野剛士は「取材以外でも100回以上ありますよ」と屈託のない笑顔で対応してくれる、爽やかな24歳だ。

 明大では高山俊阪神)、上原健太日本ハム)と同級生。東京六大学リーグでは4年秋、慶大・高木大成(元西武)の持っていた二塁打のリーグ記録を28に更新した。3度のリーグ優勝にも貢献し、打率.284、6本塁打、45打点。2度のベストナイン受賞。夢を抱いてプロ志望届を提出したが、指名漏れの悔しさを味わっている。

 2016年に日立製作所へ入社し、ルーキーながらいきなり四番を任され、都市対抗準優勝(若獅子賞)で社会人ベストナインを受賞した。

「あの悔しさを経験して、社会人野球へ進んで『やってやろう!』という強い思いが、ベストナインという結果につながったのだと思います」

 菅野に“2年目のジンクス”は存在しなかった。

「僕が(若獅子賞、ベストナイン)を取れば、高山もプロで新人王を取ると思っていました。今年も負けないようにやっていきたいです」

 入社2年目も都市対抗で主軸を任され、初戦敗退ながらも安打をマーク。台湾で開催された第28回BFAアジア選手権では侍ジャパン社会人代表の五番としてプレーし、2大会ぶり19度目の優勝に貢献している。

 大卒2年目。再びドラフトを迎えるが、菅野は存分のアピールができたと言っていい。NPBスカウトによれば、左打者のドラフト対象選手では、最上位に位置づけられており、10月26日に向けては期待もふくらむ。日立製作所は菅野以外にも右腕・鈴木康平、俊足好打の内野手・田中俊太広島田中広輔の弟)と候補選手が顔をそろえる。

 さて、菅野は東海大相模高2年夏の甲子園で準優勝、3年春のセンバツで優勝(田中俊太とチームメート)。そのキャリアから同校OBの巨人菅野智之と親戚関係にあるのでは? と何度も間違えられたことがある。高校、大学、社会人で、ことあるたびに質問を受けてきたが、そのたびに「いいえ、違うんです」と笑顔で答えてきた。

 屈辱から2年――。2017年ドラフトは「SUGANO」が脚光を浴びることなる。

文=岡本朋祐 写真=中島奈津子
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