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ドラフト会議物語

【ドラフト会議物語47】西武は指名権をはく奪で4巡目から!中田翔、由規、丸らが加入【07年高校生】

 

今年は10月26日に行われるドラフト会議。毎年、金の卵たちが、どの球団へ進むか大きな注目を集める“一大イベント”で、さまざまなドラマも生まれる。今年で53年目を迎えるドラフト会議の歴史を週刊ベースボールONLINEでは振り返っていく。

“BIG3”に指名が集中


会見での感激の涙も話題となった佐藤由規


2007年10月3日
第43回ドラフト会議
高校生(グランドプリンスホテル新高輪)

[1巡目選手]
広島     安部友裕 (福岡工大城東高)
オリックス  丹羽将弥 (岐阜城北高)
ヤクルト   佐藤由規 (仙台育英高)
楽天     寺田龍平 (札幌南高)
横浜     田中健二朗(常葉菊川高)
西武     ――――
阪神     高浜卓也 (横浜高)
ロッテ    唐川侑己 (成田高)
中日     赤坂和幸 (浦和学院高)
ソフトバンク 岩嵜翔  (市船橋高)
巨人     藤村大介 (熊本工高)
日本ハム   中田翔  (大阪桐蔭高)

 注目は“BIG3”と呼ばれた佐藤由規、中田翔、唐川侑己だったが、予想どおり「全11球団」の指名が3人に集中した。

「12球団目」の西武は、裏金問題がこの年の3月に発覚。大きな社会問題となり、高校生ドラフト1〜2巡目までの指名権はく奪のペナルティが科せられ、仮に大学・社会人で1巡目を回避すれば3巡目からでも指名が可だったが、西武は大学・社会人1巡目を選び、このドラフトではなんと4巡目からの参加になってしまった。

 まず157キロの快速球で話題となった佐藤由規がヤクルト、楽天、横浜、中日、巨人の競合となり、すでにこの年限りでの引退・退任が決まっていたヤクルト・古田敦也兼任監督が当たりクジを引き当てた。楽天が第一志望だったが佐藤だが、会見で家族への思いを尋ねられると、ボロボロ涙を流しながら両親と兄への感謝の思いを口にしていた。制度は違っているが、高校投手の5球団競合は史上最多タイでもある。

 高校通算87本塁打で“平成の怪物”と言われた強打者・中田翔はオリックス、阪神、ソフトバンク、日本ハムが競合し、日本ハムに。北海道のイメージを聞かれ、「白い恋人」と答えたのも話題になった。

 BIG3、最後の1人、唐川は最速148キロ、総合力の高さでも評価された右腕。広島、ロッテの競合となり、ロッテへ。地元・千葉の球団でもあり、「幼少時代からのあこがれのチーム」だったという。

 抽選から外れた選手も前年までウエーバー順指名と違い再度入札。高浜卓也が横浜と阪神が競合し、阪神へ。岩嵜翔が中日、ソフトバンクで競合し、ソフトバンク。ほか広島・安部友裕、巨人・藤村大介らの名前があり、当たり年の1巡目と言えるだろう。

 2巡目はなしで、続く3巡目にも広島・丸佳浩(千葉経大付高)、オリックス・伊藤光(明徳義塾高)、ソフトバンク・中村晃(帝京高)、巨人・中井大介(宇治山田商高)と現在も各チームで活躍中の好選手がいる。

 西武の実質1巡目となる4巡目は、中継ぎとしてフル回転している武隈祥太(旭川工高)だった。

<次回に続く>

写真=BBM
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