■10月19日 CSファイナルステージ第2戦(マツダ広島)DeNA6−2広島 CSファイナルS第2戦はDeNAが投打で広島を上回り、6対2で快勝。DeNAにとっては実りの多い1勝となった。
最大の収穫は五番・
宮崎敏郎の復調だ。
阪神とのファーストSでは打率.154と本調子ではなく、ファイナルS初戦も無安打に終わった。しかし、この日は1本塁打を含む3安打3打点の大当たり。ペナントレースで首位打者に輝いた打力を見せた。
第2戦では三番・ロペスも徹底した右打ちで3安打をマークし、広島投手陣を攻略した。ファイナルSでは無安打の四番・
筒香嘉智が復調すれば、強力クリーンアップがいよいよ本領を発揮することに。第3戦では筒香の打棒に注目だ。
対照的に広島は、第2戦までの2試合で、主軸の三番・
丸佳浩が7打数1安打、四番・
松山竜平が5打数無安打と苦戦。トップバッターの
田中広輔が粘り強い打撃で多く塁に出ているだけに、打線のつながりを取り戻したい。「状態は悪くない。強引にならないように切り替えたい」と松山。こちらもクリーンアップが本来の力を取り戻すことが、勝利へのカギとなりそうだ。
第3戦の先発は広島がジョンソン、DeNAは
井納翔一が予想される。
今季は体調不良や故障に悩まされたジョンソンだが、昨季はCS、日本シリーズで勝利投手となり、短期決戦の強さは証明済み。特にCSファイナルS第1戦ではDeNA打線を3安打完封と圧倒しており、苦手意識はない。
一方の井納はファーストS初戦の阪神戦で敗戦投手となったが、6回2失点と好投している。ペナントレースでは広島戦2試合に先発し、0勝1敗、防御率5.11と相性が悪いが、大一番で克服できるか。
星の上では広島がアドバンテージを含む2勝1敗と有利だが、
薮田和樹、
野村祐輔という最も信頼できる2投手を先発させてしまった。第4戦の先発は
大瀬良大地、第5戦は
中村祐太が濃厚だが、盤石とは言えないだけに、第3戦に勝利して王手をかけておきたい。
DeNAは第4戦で
今永昇太、第5戦で
ウィーランドが先発すると見られる。ともに先発ローテーションの中心を担った存在で、第3戦で2勝2敗とできれば勝機は十分にある。
勝利の天秤は第3戦勝利チームへと大きく傾くことになりそうだ。
文=吉見淳司 写真=小山真司