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クライマックスシリーズ・リポート

【CSパ第5戦展望】武田と美馬、両先発の“タスク”の違い

 

中村の連日の決勝弾でソフトバンクが王手をかけた


■10月21日 CSファイナルステージ第4戦(ヤフオクドーム)ソフトバンク4−3楽天

 キャプテン・内川聖一が流れを取り戻し、続く中村晃が決めた。第4戦は1点差ゲームながら強さを見せたソフトバンクが制し、日本シリーズ進出へ王手をかけた。

 楽天の先発・岸孝之から2回に長谷川勇也の適時二塁打、3回にデスパイネのソロで2点のリードを奪ったソフトバンクだったが、先発のバンデンハークが突如乱れる。4回に銀二に一発を浴びると四球が絡みさらに1失点、5回も四球から1失点を喫してリードを奪われ、王者の前に暗雲が漂っていた。

 イヤな流れを一掃したのが内川だった。6回、岸からバトンを受けた宋家豪のストレートをとらえると、打球はあっという間に左中間スタンドへ着弾。「打った瞬間、確信して。本当にびっくりした」という一撃で同点に追いつくと、続く中村晃は「内川さんが打った直後だったのでイケイケでいきました。いい流れに乗れた」と決勝弾を右翼ポール際に突き刺した。

 連敗スタートから巻き返し、日本シリーズ進出へ王手をかけたソフトバンクだが、気の緩みはない。内川が「(ファイナルS突破へ)一歩近づいたのは事実だが、あと1つ勝たないと終わらないのも事実」と気を引き締めれば、工藤公康監督も「みんなで全力でぶつかっていきたい」と挑戦者の立場を崩さない。

 第5戦の先発は武田翔太。今季はケガもあって苦しい時を過ごした。楽天戦にも3試合に先発して1勝1敗、いずれも5回までに降板して防御率3.07と決して相性が良いとは言えない。しかし、序盤を乗り切れば、ここまでの4戦でトータル失点ゼロと驚異的な精度を誇るリリーフ陣が控えている。

 一方、楽天の先発・美馬学は今季、ヤフオクドームでは2度登板して2勝、16イニングで自責点2、防御率1.13と抜群の精度を誇る。だが、第3戦で福山博之、第4戦で宋とリリーフ陣が打ち込まれているだけに、できる限り長いイニングを投げることが求められるだろう。

 同じ先発でも、武田と美馬では求められるタスクに違いが生じるであろう第5戦。ソフトバンクが王者の意地を見せて日本シリーズ進出を決めるのか、楽天が最終決戦へ持ち込むのか。両先発が自らの“タスク”を果たせるのかが、試合の行方を決めるはずだ。

文=杉浦多夢 写真=湯浅芳昭
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