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週刊ベースボール ドラフト1位指名予想&戦略分析【パ・リーグ】

 

本日、開催されるドラフト会議。金の卵たちは一体、どこの球団に指名されるのか。パ・リーグ各球団の1位指名予想と、戦略分析を行った。

日本ハム、ソフトバンクの清宮指名は確実か


果たして、日本ハムソフトバンク以外にも清宮を指名球団は出てくるか


■ソフトバンク 1位予想=清宮幸太郎(早実)
 清宮幸太郎(早実)について「打者として技術的なものもネームバリューもある」とあらためて太鼓判を押した王貞治球団会長は、「欲しいね」と直球の一言。10月2日に行われた面談では球界屈指の充実した育成環境と施設をアピールし、ラブコールを送った。例年の「その年最も評価が高い投手」を覆しても、最優先は競合必至の和製大砲獲得だ。仮に清宮を外した場合には従来どおり投手獲りか。鈴木博志(ヤマハ)といった即戦力投手の名前も挙がる中、有力視されるのは田浦文丸(秀岳館高)。右打者の外角に沈むチェンジアップを武器とする将来性豊かな左腕を、早い段階から高く評価していた。ドラフトの指針に「地域密着」の理念を掲げるソフトバンクとしては地元の雄を逃したくない。

西武 1位予想=田嶋大樹(JR東日本)
 2008年以来10年ぶりのV奪回へ、先発の一角を担う即戦力が最大の補強ポイントになる。特に左腕はエース・菊池雄星以外に手薄な状況で、ドラフト1位は田嶋大樹(JR東日本)に絞られた。10月25日、編成会議後、渡辺久信SD兼編成部長が社会人No.1左腕の指名を明言。他球団と競合となった場合、自らがクジを引く。外れ1位の最有力は東克樹(立命大)、または石川翔(青藍泰斗)か。石川は最速151キロの直球で高校No.1右腕と呼び声高い。高橋光成今井達也と共に近未来のエースとして期待がかかる逸材だ。牧田和久の流出に備えて救援陣の補強も急務。高橋礼(専大)は身長188センチの大型サブマリン。シュート、カーブの精度も高い。「右殺し」で機能すれば大きな戦力になる。捕手も森友哉の刺激になる若手の新戦力が欲しい。

楽天 1位予想=清宮幸太郎(早実)or安田尚憲(履正社高)
 過去4年はすべて高校生を1位で指名しており、投手では松井裕樹がすでに中心選手となり、野手ではオコエ瑠偉、投手では藤平尚真も順調に成長。育成力を発揮している。今年は高校生の中で清宮幸太郎(早実)が注目されているが、球団内には安田尚憲(履正社高)を推す声も存在するという。左のスラッガー2人をめぐる議論は会議直前まで続きそうだ。また、現在のチームには塩見貴洋辛島航に続く先発左腕が乏しいことから、最速152キロ左腕の東克樹(立命大)も有力候補の一人。また、地元・仙台大の155キロ右腕・馬場皐輔も徹底マークしてきた。昨年は他球団との競合を避けて藤平の単独指名に成功。今年もしたたかな戦略に注目が集まる。

オリックス 1位予想=田嶋大樹(JR東日本)
 10月13日にはドラフト上位候補30人の映像を福良淳一監督が約4時間半にわたってチェック。「いい選手はいましたよ」と話していた指揮官は昨年、山岡泰輔の指名を熱望したが、今年の指名は球団主導となる模様。そんな中、1位指名は最大の補強ポイントである“左腕”に狙いを定め、筆頭候補は田嶋大樹(JR東日本)の名が挙がる。重複の可能性も高く、クジを外した場合は、東克樹(立命大)のほか、野手では田中俊太(日立製作所)、宮本丈(奈良学園大)、福田周平(NTT東日本)ら、手薄な内野手リストアップし、投手は左腕、野手なら内野手の指名に踏み切る構えだ。将来性豊かな高校生の逸材が多くいる今ドラフトも1位指名は即戦力に絞る。

■日本ハム 1位予想=清宮幸太郎(早実)
「その年の一番良い選手を取る」という方針は揺るがない。ドラフト会議前日まで連日スカウト会議を行い、初志貫徹で清宮幸太郎(早実)を1位指名することになりそうだ。類まれなスター性に加え、左の長距離砲はチームのウイークポイントにも合致するだけに指名はほぼ間違いないと言っていいだろう。2位以下で狙うのは中継ぎの適性もある左腕。10月23日には東京六大学野球で宮台康平(東大)を栗山英樹監督が自ら視察。「言われている以上に良い投手。高いレベルで活躍してくれる選手だと思います」と好評価。齊藤大将(明大)、田浦文丸(秀岳館高)らもリストアップしているが、「東大史上最高投手」の呼び声も高い宮台の上位指名の可能性も十分にある。

ロッテ 1位予想=清宮幸太郎(早実)or安田尚憲(履正社高)
 1位指名は高校生野手に絞られた。10月24日、井口資仁新監督を交えたスカウト会議で方針が決定。若き和製大砲の不在という最大のウイークポイントを解消するため、清宮幸太郎(早実)と安田尚憲(履正社高)へは常に熱視線を送ってきたが、いずれかの指名に踏み切ることになる。昨季は途中加入したペーニャの15本塁打が最多とチームは即戦力野手を必要としている状況だが、指揮官は「候補に挙がっている高校生は即戦力でいける」と評価。同時に「これからのマリーンズを背負って立つ」と期待を寄せている。一本釣りできる可能性がある安田を第1候補としながら、他球団の清宮への動向を見ながら最終決断は当日となりそうだ。

写真=BBM
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