CSファイナル第5戦では初回KOの屈辱を味わった石田。日本シリーズの舞台で雪辱を誓う
追い込まれた
DeNAがようやく日本シリーズで1勝を挙げた。「19年待ちわびたベイスターズの勝利だ」。試合後のインタビューで
ラミレス監督は、横浜スタジアムのファンに呼びかけた。
ルーキー・
濱口遥大が8回1死までノーヒット・ノーランの好投を演じ、5回の
宮崎敏郎の先制弾を皮切りに打線がつながった。不振にあえいでいた一番・
桑原将志も2安打とチームを勢いづかせた。
「桑原はもうすぐ打ち始める」「初回に
ソフトバンクに点を取られないこと。我々が先制点を奪うこと」と試合前、指揮官が語っていたポイントが実現し、勝利につながった。
この1勝がシリーズの流れを変えるのか──。現時点では、3勝1敗で日本一に王手をかけているソフトバンクが絶対的に有利だが、負けが許されないDeNAは何とか踏みとどまり、流れを引き寄せたいところだ。
前向きな要素もある。第5戦の先発は左腕・
石田健大が予想されるが、ソフトバンク打線がサウスポーに苦戦しているのだ。第4戦は濱口に対して8回途中2安打無得点、第2戦では
今永昇太の前に6回5安打1得点と打てていない。振り返れば、
楽天とのCSファイナルステージでも
塩見貴洋と
辛島航を打ちあぐね連敗している。
濱口に無失点に抑えられ黒星を喫した試合後、
工藤公康監督は「CSでもそうだったけど、緩急についていくのに時間がかかった」とサウスポーの対応の難しさを語っている。
第5戦の先発予想される石田はチェンジアップを決め球にするが、タイプ的には今永に近く、ボールのキレで勝負する。「左腕・石田」対「ソフトバンク打線」が第5戦の見どころの一つになる。
文=滝川和臣 写真=小山真司