両チームの意地がぶつかり合い延長15回で決着つかず
意地か、執念か。リーグ3位から勝ち上がり、日本シリーズ3勝2敗と5年ぶりの日本一に王手の
ロッテと、勝てば逆王手をかける
中日。
舞台を千葉マリンからナゴヤドームに移した11月6日、第6戦の試合時間は5時間43分。最長記録を54分更新するシリーズ史上最長であり、延長15回を戦い切ったのは初めてだ。史上7度目の引き分け試合となり、第7戦へ仕切り直しとなった。
それぞれ第1、2戦で勝利投手となったロッテ・
成瀬善久と中日・チェンの先発で幕を開けた試合は、初回に動く。ロッテが
サブローの中前適時打で先制すると、その裏には、中日も
森野将彦のタイムリー2ベースで同点に。だが、2回以降は両先発左腕が持ち直し、5回までをともに被安打1に抑える。
均衡を破ったのは、中日だ。6回一死から
井端弘和が、シリーズ20打席目にして初安打。ナゴヤファンが総立ちで歓声を送ると、二死から二盗に成功。
和田一浩の四球で二死一、二塁とすると「チェンが踏ん張っていたので、何とかしたかった」というブランコがフェンス直撃の二塁打を放って勝ち越しに成功。チェンは7回も無失点に抑え、2対1のまま
浅尾拓也へとバトンを渡した。
しかし、ロッテは浅尾を攻め、二死二塁からサブローの「気持ちでした」という中前同点打が飛び出し、2対2。
ここから、互いに一歩も譲らない。中日は浅尾が9回を抑え、延長後は
高橋聡文―
河原純一―
岩瀬仁紀―ネルソン―
久本祐一の継投。9回以降、11回を除けばすべて打者3人で回を終える安定感だった。対するロッテは、7回から
内竜也、9回を
伊藤義弘がぴしゃり。続く
薮田安彦、
小野晋吾は大きなピンチを招くも切り抜け、14、15回を
小林宏が締め、ドロー決着に持ち込んだ。
「負けなくてよかったということ」という中日・
落合博満監督と、「投手が踏ん張った。(勝ちに等しい?)まあ、負けなかったからね」というロッテ・
西村徳文監督。両チームで登板14投手、出場44選手は過去最多。ともに一丸となった総力戦は、歴史に残る死闘となった。
写真=BBM