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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

大谷翔平が紡いだ珠玉の金言集

 

いつもどおりの自分の言葉でメジャー挑戦の決意を語った大谷


 11月11日午前11時。自身の背番号、世界一の選手を目指すんだ──という決意も込めて、ついに大谷翔平が沈黙を破ってメジャー・リーグ挑戦を正式表明した。

 詰め掛けた250人の報道陣の前で1時間にわたって現在の胸の内を等身大の真っすぐな言葉で話す姿に、あらためて「この人は本当に言葉を持っている人だな」と感じた会見だった。

 同じくメジャーに活躍の場を求めたイチローダルビッシュ有らにも共通することだが、トップアスリートの多くは、その言葉の端々にその人の生き様であったり、一流の思考を垣間見ることができる。

 日本ハムでの5年間で何度か彼にインタビューをさせてもらう機会に恵まれたが、必ず取材の中で「見出しになる言葉」をいくつも紡いでくれる選手だった。ここで過去の週刊ベースボールの誌面から印象的なものをいくつか抜粋してみたい。

「100を目標にしても、55ぐらいの段階で130ぐらいの目標をまた見つけてしまうと思う」

「(日本一になった)2016年も個人的には充実感みたいなものはまったくないです。まだ僕は何も達成していないですから」

「練習を誰かと一緒にやるのって嫌なんです。トレーニングを見られるのも嫌。理由? なんとなく……笑」

 列記したこの3つだけでも、大谷がなぜあれだけのハイパフォーマンスを発揮できるのか、結果を残せるかが分かる気がしないだろうか。また、入団して1〜2年は多方面で批判も多かった二刀流の是非について直撃したときも、真っすぐな視線でこんな答えが返ってきた。

「二刀流については、純粋に両方やりたいからやっているだけです。それにダメだったらダメで、僕が失敗例になればいいこと」

 チームスタッフや裏方にも決して弱音を吐くことはなかったと言うが、大谷にしか分からない苦労、悔しさ、喜びがあったに違いない日本での5年間。その挑戦の根底には「誰も歩んだことのない道を歩んでみたい」という揺るぎない信念と、失敗をも恐れない覚悟がある。

 二刀流伝説の第二章となるメジャー挑戦。世界最高峰の舞台で日本で育まれた才能がどんなプレーで私たちを驚かせ、またどんな言葉が彼からまた聞けるのか、楽しみでならない。

文=松井進作 写真=高塩 隆
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