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ハマスタ増築・改修で19年に3万人規模、20年に3万5000人収容へ

 

外観はレンガ調のデザインを採用し、横浜の歴史と景観との調和を目指している。イラスト中央にあるのはエレベーターで、傾斜が急なスタンドに対応するために8基が設置予定だ


 先日は19年ぶりに日本シリーズが開催され、ファンの熱気にあふれた横浜スタジアムが増築、改修工事に入る。11月25日には起工式が控えている。

 工事着工を前にした11月16日には横浜スタジアムの岡村信悟代表取締役社長が出席して、記者説明会が開かれた。

 改修の一番の目的は座席の増設にある。ここ数年、横浜DeNAベイスターズ主催試合の来場者数は右肩上がりで、2016年は年間194万人(座席稼働率93.3%)、今年は198万人(座席稼働率96.2%)とキャパシティは限界にきている。そこで座席数を現在の2万9000席から6000席を増やし、3万5000席とする。さらには回遊デッキを新設し、市民へ開放することで公園としての活用を推し進める予定だ。

 当然、今回の増築、改修工事は、東京五輪の野球・ソフトボール競技の主会場での使用を念頭に置いており、完成は2020年春を予定している。

 このニュースを聞いた編集部の同僚から「えっ!ハマスタ、来年から使えなくなるの?」と質問された。いや、そうではない。来季以降、横浜公園内のパブリックビューイングなどイベントが制限される可能性はあるものの、プロ野球のシーズン中は公式戦を開催しながら、並行して工事が進められるのだ。

 客席は右翼側スタンド(3800席)、左翼側スタンド(2700席)、バックネット裏スタンド(600席)が増築される。まず18年は右翼側とバックネット裏のスタンドが工事され、19年シーズン開幕前に完成。19年には3万規模のスタジアムに徐々に生まれ変わる予定で、続いて19年いっぱいをかけて左翼側スタンドを増築し、20年春のグランドオープンとなる。

 横浜公園という限られた空間、土地の中で行われる工事は、既存部分を生かす方向で進められる。それゆえに、新設ではなく改修にこだわっている。「物理的な制約のある中で歴史を受け止め、世界に誇れるボールパークを目指します」と説明会で岡村社長は語っている。今年で開業40周年を迎えた横浜スタジアムがどう生まれ変わっていくのか、今から楽しみだ。
文=滝川和臣
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