寮でボリューム満点の昼食を堪能した安田。右はドラフト2位の藤岡裕大
ついに“
ロッテ”
安田尚憲が誕生した。12月5日のロッテ新入団発表会で初のユニフォーム姿を披露すると、翌6日にはロッテ浦和で工場や球場、室内練習場にクラブハウス、そして年明けから生活の場となる寮を見学した。
ほかのルーキーたちと並んで歩いていても、188センチ95キロの堂々たる体躯は幅も高さも別格だ。高校野球の現役時には1食で白米2合、補食も含めれば1日8合をたいらげて体を作り上げ、高校通算65本塁打をマーク。
清宮幸太郎(
日本ハム)と並ぶドラフトの目玉の1人として、ロッテに1位指名を受けた。
その安田が「おかずも多くてびっくりした」と、寮での昼食の“量”には驚きを隠さなかった。ちなみにこの日の昼食のメニューは1900キロカロリー超のボリューム。「おいしかったし、食事面でもサポートしてもらえるので今から来年が楽しみ」と笑顔を見せる。
新入団発表会では将来の「ホームラン王」を目標に掲げた。ちなみにロッテで最多本塁打のタイトルを手にしたのは1986年に2年連続3度目の三冠王に輝いた
落合博満が最後だ。その大きな目標を達成するために、技術面だけではなく体作り、フィジカル面でのさらなる成長が必須なのは言うまでもない。
その点において球団も安田への期待を隠さない。実は安田が入室する寮の部屋はすでに決まっている。今季まで
二木康太の部屋だった「310」だ。187センチの二木は2014年の入寮時の体重が73キロだった。先輩投手やコーチから食べることの大切さを諭され、寮の食事をしっかり摂ることで、わずか2年で85キロまで増量。現在もトレーニングを重ねながら、着実にフィジカルを向上させている。
その二木が今年限りで退寮、後継に指名されたのが安田だった。「体はもっと大きくしたい。もちろん脂肪ではなく筋肉で」という安田の好物はすきやき。寮のメニューに並ぶのは月に1回あるかないかということだが、肉自体については宮崎牛や仙台牛を中心に高クオリティーが保証されている。
ロッテの未来の四番候補の夢、将来の本塁打王獲得を、質量ともに十分な“寮メシ”が後押しする。
文=杉浦多夢 写真=BBM