2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 『二人も出た“第二の長嶋”』
今回は『1959年2月18日号』。創刊45号で定価30円だ。表紙は巨人・王貞治がピッチングで振りかぶったアップ。投手か野手の結論はまだ出ていない。センターカラーは巨人の多摩川での練習風景だ。
巻頭グラビアは『銀幕を飾る鉄腕投手〜東宝「稲尾投手物語」クランク・イン』と題し、駒沢球場での撮影シーン。西鉄・
稲尾和久が国民的スターとなった証拠でもある。これは稲尾自身も本人役で出演する(少年時代役、高校時代役と3ショットもあった)。
本文巻頭は『特集 プロ野球キャンプ生活の実態〜ペナントレース開幕までの涙と笑い』。12球団のキャンプ事情を紹介。国鉄では
宇野光雄監督が海に向かって大声を出させるユニークな練習を採用した。なかには「宇野のバカヤロー!」と叫ぶツワモノもいたらしい。
新人選手が話題となる時期でもあり、連載漫画『イレギラーくん』では、巨人・王貞治を投手で使うか野手で使うかでケンカする飲み屋でのシーンが出ている。ケンカをした2人が表に出ると大雨、帰ってきて、また和気あいあいと話していると、また同じ展開になるエンドレスパターンだ。
また『二人も出た“第二の長嶋”』として、下関商高から
阪神入りした三塁手・
高井良一男、浪商高から東映入りした
張本勲が紹介されている。高井は結果を出せなかったが、その後の張本の活躍はご存じのとおり。東映のコーチ、
松木謙治郎は張本の素質について以下のように語っている。
選手の素質を瓶にたとえると、五合瓶の素質がある選手を一升瓶にせよというのが無理な話だ。しかし一升瓶の素質があり、なかに5合しか酒が入っていなくても、それは磨きようでは一升になる。張本はうまくいけば一升になる選手だし、世間にはザラにはいない。
恒例の『12球団週間報告』の巨人ページでは、鈴木龍二セ会長と宇野巨人代表が宮内庁に『天覧試合』の申し出をした話が載っていた。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM