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2017シーズン総括

【2017シーズン総括】楽天「夏場に急失速で3位に終わるも、前半戦は快進撃で“熱パ”を演出」

 

ソフトバンクの日本一で幕を閉じた2017シーズン。熱戦が続いたが、球団ごとに「投手力」「攻撃力」「守備力」に分けて振り返っていく。

投手力 PITCHING REVIEW


前半戦に8試合連続2ケタ奪三振の日本新記録を樹立し、4年連続で最多奪三振のタイトルを獲得した則本


パ・リーグ3位
◎143試合 77勝63敗3分 勝率.550
◎ホーム39勝30敗2分、ビジター38勝33敗1分
◎交流戦10勝8敗0分 勝率.556 5位

 エースの則本昂大がWBCでの疲労を考慮されて開幕を回避し、予定された岸孝之がインフルエンザでキャンセル。そして急きょ開幕投手に指名されたのが美馬学だった。今シーズンはこの3投手が盤石な柱となり、序盤の快進撃を支えた。

則本は日本記録を更新する8試合連続2ケタ奪三振をマークし、美馬は自身初の2ケタ勝利となる11勝(8敗)。岸は8勝10敗と2ケタにこそ届かなかったが、防御率2.76と安定感は抜群だった。美馬も後半戦は苦しんだが先発の役割は十分に果たしている。

 ブルペンも充実していた。セットアッパーでは65試合、クローザーの松井裕樹が52試合、新人の高梨雄平が46試合登板とフル回転。いずれも防御率は1点台と安定し、56試合登板で防御率2.72ハーマンとともに、特に接戦で力を発揮した。

 ただし疲れの見えた終盤戦で踏ん張れず、8月には大型連敗。層の厚さが足りなかった。

攻撃力 HITTING REVIEW


来日3年目にして自己最多を更新する31本塁打を放ったウィーラー


 打撃陣では助っ人3人を中心とする強力打線が投手陣を援護した。ペゲーロの開幕カード2発が3連勝を呼び込み、主砲・ウィーラーは自己最多の31本塁打。アマダーは7月22日のオリックス戦(Koboパーク宮城)では驚異の3打席連続本塁打をマークした。ウィーラー31本、ペゲーロ26本、アマダー23本。この3人でチームの6割近くの本塁打数を稼いだ。

 一番には茂木栄五郎が定着し、ペゲーロと「恐怖の一、二番コンビ」として大暴れした。茂木は先頭打者本塁打6本と、先制攻撃に大きく貢献。だが、夏場に茂木、ペゲーロが相次いで離脱すると、打線の破壊力は一気に目減りしてしまう。8月の月間打率.228と落ち込み、7勝18敗と大きく負け越し、上位争いのライバル・西武にはこの月8連敗でついに2位の座を明け渡した。来季、シーズン通して戦力を保って優勝争いするためには、主力選手と控え組の格差を縮める必要がある。

守備力 FIELDING REVIEW


一塁がメーンも、二塁を守ることもあった銀次。一塁手としてゴールデン・グラブ賞に輝いた


 そもそも、外国人選手3人を並べる強力打線を選択したのは、開幕当初の投手力を補うためだった。守備力には多少目をつぶり、攻撃重視の布陣が多かった。

 起用法の目玉となったのは一塁のレギュラー・銀次の二塁コンバートだった。これにより今江年晶やアマダーの一塁起用が可能となり、打線の厚みが増した。最終盤になると銀次が一塁に回り、二塁には守備の名手・藤田一也が入った。銀次は二塁での守備機会335で失策なし。一塁では4失策で自身初のゴールデン・グラブ賞を手にしている。外野でも聖澤諒田中和基がスタンバイし、接戦を勝ち切るパターンを確立した。

 その働きぶりが顕著だったのは藤田で茂木が負傷離脱している期間は遊撃も守った。その茂木も昨季の失策数「19」から「8」に半減。大きな進歩を見せた。チーム失策数74はソフトバンク(38)に大きく差をつけられたものの、リーグ2位。守備力向上も快進撃の要因となった。

【2017年の主な達成記録】
◎8試合連続2ケタ奪三振=則本昂大、6月8日対DeNA(Koboパーク宮城)、プロ野球初

◎4年連続200奪三振=則本昂大、9月24日対ソフトバンク(ヤフオクドーム)、プロ野球9人目

◎イニング3者連続3球三振=松井裕樹、4月25日対ロッテ(東京ドーム)、プロ野球17人目、18度目

◎通算500試合登板=青山浩二、10月9日対日本ハム(Koboパーク宮城)、プロ野球99人目

◎通算1000試合出場=聖澤諒、9月24日対ソフトバンク(ヤフオクドーム)、プロ野球488人目

写真=BBM
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