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プロ野球デキゴトロジー/12月14日

慶大のプリンス・山下大輔の大洋入りと中部オーナーの“独演会”【1973年12月14日】

 

両親同席で入団会見を行った山下(学生服)。右から2人目が中部オーナー


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は12月14日だ。

 慶大時代、東京六大学のリーグ戦でベストナイン4回、首位打者1回、通算打率.325をマークした山下大輔が1973年12月14日、大洋への入団会見を行った。

 山下は、この年のドラフト1位。大学では「長嶋茂雄2世」とも言われた遊撃手だ。甘いマスクから“慶応のプリンス”とも言われ、熱狂的な女性ファンも多かった。

 胆石で入院し、久々に公の席に姿を現した中部謙吉オーナーは、大物ルーキー獲得にご機嫌の様子で「巨人の長嶋君以上に立派な成績だ」と声を弾ませた。ただ、前年の大物ルーキー、長崎慶一が入団した際、「新人王間違いなし!」と言って、今一つの成績に終わったこともあったのか、記者が「新人王?」と水を向けると、少し苦笑いし「急にやれとせっつかんほうがいいだろう。実力は徐々に出してくれたらいい。気楽にやらせたいな」。

 それでも話しているうちに次第に乗ってきたのか、会見に同席した山下の母親に「男ぶりがいいからお嫁さん候補の交通整理もお願しますよ」と言って大笑いしていた。

 中部オーナーは入団発表の後、記者会見も開き、予定を1時間近く上回る独演会。「彼が何勝、彼が何勝とワシが計算すると、ウチのチームの投手の勝ちは合計百以上になるんだが、どうも計算が甘いみたいだな。ただ、来年はチームワークもうまくいくだろうし、優勝は五分五分だね」と、大洋ホエールズをこよなく愛するオーナーは“親バカ”ぶりを発揮していた。

 ただ、折からの“オイルショック”(原油価格の上昇による物価急上昇。トイレットペーパーの買い占めなどがあった)については“財界人”の顔に変わり、「このまま長引けば、ナイターができなくなるかもしれん。入場料を上げるのではなく、企業努力で何とかせんと」と話していた。

写真=BBM
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