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プロ野球デキゴトロジー/12月19日

「セクシー&クール」で大爆笑!中島裕之がアスレチックスに入団【2012年12月19日】

 

前年オフはポスティングでヤンキースが入札したが入団交渉で決裂。2年越しで夢を叶えた


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は12月19日だ。

 西武からFAとなっていた中島裕之は、海外FA権を行使して、2012年12月18日、オークランド・アスレチックスと契約を結んだ(今回は日本時間に合わせ19日の出来事とした)。条件は2年650万ドル(約5億2000万円)。

 本拠地のオークランドコロシアムでの記者会見では、『マネーボール』の本、映画で有名になったビリー・ビーンGMと並んで、西武時代と同じ背番号「3」のユニフォーム(上着)姿での応答。まず英語で自己紹介。「『ヒロ』と呼んでほしい」と中島。その後、質問を受けたが、会場が爆笑に包まれたのは、次の受け答えのあとだった。

「アスレチックスを選んだ最大の理由は?」の問いに、中島は「ビリー・ビーンがカッコいいからです」。まず日本の報道陣が「クスクス」。続いて通訳が英語に訳すとアメリカの記者たちが「ワッハッハッハ」となった。

 なぜこれほど受けたかというと、通訳が「カッコいい」の部分を「とてもセクシーでクールだから(extremely sexy and cool)と訳したからだ。

 13年の3月で51歳になるビーンGMだが「セクシーでクール」と言われて、悪い気分はしなかったようで「そう、このチームはセクシー・アンド・クールがすべて」とアスレチックスの新しいキャッチフレーズにしかねないほどのサービスぶりだった。

「『ヒロ』の人柄に惚れた。チームの人気者になる」とも語り、上機嫌だった。

 日本人内野手の評価が年々低下する中、西武の今季の年俸(2億8000万円)とほとんど変わらない好条件を示された中島。それだけに結果を出さないとバッシングの嵐を覚悟しなければならない。

「(天然芝には)毎日練習しながら対応していきたい。日本でもホームラン打者じゃなかったし、野手の間を抜く打撃をしたい。それと粘って投手に多くの球を投げさせるようにしたい。とにかくプレーしてみないことには分からない。でも自信はある」

 埼玉・所沢へトンボ返りで21日には西武球団事務所で会見、12年間在籍した西武に感謝したあと「日本の皆さんが楽しみにしているのなら、僕もダルビッシュ(当時レンジャーズ)とやるのが楽しみ」とニッコリ。しかし、結局、故障もあって一度もメジャーに出場はなく、日本球界復帰となった。

写真=Getty Images
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