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2017シーズン総括

【2017シーズン総括】中日「5年連続Bクラスに低迷も、投打で新戦力が台頭」

 

ソフトバンクの日本一で幕を閉じた2017シーズン。熱戦が続いたが、球団ごとに「投手力」「攻撃力」「守備力」に分けて振り返っていく。

投手力 PITCHING REVIEW


初勝利を含む5勝を挙げた鈴木


セ・リーグ5位
◎143試合 59勝79敗5分 勝率.428
◎ホーム37勝32敗3分、ビジター22勝47敗2分
◎交流戦9勝9敗0分 勝率.500 8位

 2016年は2ケタ勝利、規定投球回到達がともにゼロと大苦戦したが、17年は大野雄大、バルデスの2投手が規定投球回をクリア。しかし2ケタ勝利は2年連続で現れなかった。3本柱に期待された大野、吉見一起若松駿太が不調で、開幕から19試合連続で先発投手に白星がつかない屈辱を味わった。

 それでもリリーフから先発に転向した又吉克樹や、前半戦にプロ初勝利を含む5勝をマークした鈴木翔太らの活躍で何とかやりくりすると、後半戦には高卒2年目の小笠原慎之介や大卒ルーキーの笠原祥太郎が好投。ドラ1の柳裕也も初勝利を収め、来季の活躍を期待させた。

 リリーフでは田島慎二がシーズンを通してクローザーを務め、中盤には先発からセットアッパーに復帰した又吉と勝利の方程式を形成。4年ぶりに50試合登板を果たした岩瀬仁紀が6月に14試合無失点で12年ぶりに月間MVPを獲得して健在ぶりを見せ、祖父江大輔伊藤準規らが脇を固めた。また、育成から支配下に昇格して1年目の三ツ間卓也も、5月までに28試合に登板し存在感を発揮。シーズン途中に日本ハムから加入し、来季が中日2年目となる谷元圭介が本来の力を発揮できれば、より強力な勝ちパターンを作ることができる。

攻撃力 HITTING REVIEW


後半戦で本塁打を量産した福田


 就任1年目の森繁和監督がテーマに掲げた足を使った攻撃では、リーグ2位の77盗塁をマーク。相手の守備の乱れを突いた積極的な走塁もあり、一定の成果を得た。その先導となったのが新人王に輝いた京田陽太。リーグトップの39本の内野安打を放つなど俊足ぶりをいかんなく発揮し、一番に定着。チームトップタイの23盗塁を記録した。

 しかし全体的には破壊力に欠け、35本塁打で最多本塁打を獲得したゲレーロを擁しても、得点はリーグ5位の487と伸び悩んだ。6月には平田良介、8月にはビシエド大島洋平と主力が相次いで故障離脱し、足を生かすことはできなかった。

 それでも大島が、離脱するまでは首位打者を狙える打率を維持する安定感を発揮し、プロ11年目の福田永将は7月以降に18本塁打を量産。17年限りで退団したゲレーロに代わる打線の核に一定のメドは立った。亀澤恭平松井佑介遠藤一星らもバットで存在感を見せており、打力は向上しつつある。

守備力 FIELDING REVIEW


チームの捕手最多の87試合に出場した松井雅


 長年の課題となっていた正捕手不在は17年も解消できず、松井雅人武山真吾木下拓哉杉山翔大らが併用されたが、確固たる地位を築いた選手は現れなかった。オフには日本ハムからFA宣言した大野奨太を獲得。18年こそ不動の扇の要の確立を目指す。

 失策数ではリーグ2位だった昨季の66からさらに数を減らし、57でリーグトップとなった。守備範囲などもあり単純な評価はできないが、守備機会5489はリーグ2位で、イージーなミスは減っていると言える。少ないチャンスを確実にモノにし、僅差で逃げ切るのが森監督のスタイル。チーム方針を徹底するためにも、さらに守備に磨きをかけたい。

【2017年の主な達成記録】
◎通算1000安打=大島洋平、4月30日対阪神(甲子園)、プロ野球286人目

◎通算1000試合=大島洋平、7月25日対ヤクルト(神宮)、プロ野球485人目

◎通算200ホールド=浅尾拓也、10月1日対ヤクルト(神宮)、プロ野球3人目
週刊ベースボール編集部

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