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【週ベ60周年記念企画62】『特集 水原円裕“2つの顏”』【1959年6月17日号】

 

2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

座談会は『快調エース見参』


表紙は巨人藤田元司


 今回は『1959年6月17日号』。定価30円だ。センターカラーは『ドラゴンズの猛者』。森徹江藤慎一らバットを持った中日の打者たちが勢ぞろい。巻頭グラビアは『再び金田旋風!』と復調した国鉄・金田正一が登場。さらに停電騒ぎがあった森ノ宮球場で観客が怒って騒ぎ、たき火をし始めた写真も。物騒ながら、幻想的な雰囲気もある1枚でもある。

 センターグラビアでは『グラウンドの笑い』と題し、プレー中、ふとしたことから笑顔を見せた選手のショットが並ぶ。扉は阪神の新人・村山実。5月21日の巨人戦で9回被安打ゼロながらエラーで2失点。それでも勝利投手となった後のヒーローインタビューの1枚だ。

 本文巻頭は『特集 水原円裕の2つの顏〜巨人の中の強さと弱さ』。冷静かつ熱血な巨人・水原監督の素顔に迫っている。

 座談会は『快調エース見参』で巨人・藤田元司、南海・杉浦忠が登場。首位を走る2チームのエースだ。南海については『4度目の挑戦状〜今年もまた首位を行くが…』があった。独走の南海だが、これまで最後の最後で西鉄に逆転を食らった苦い思い出がある。鶴岡監督からも「西鉄、大毎がよろめいたのでこれまできたんや。うちの調子もまだ十分じゃないぜ。いまのところはツキがいいのさ。独走なんてとんでもないぜ」と景気のいい言葉は出てこない。

 南海のスタートダッシュを支えたのは5月26日現在、6勝1敗と好調の新外国人・サディナ。新人王の声もあったらしいが、パの連盟がアメリカに問い合わせた際、ジャイアンツのマイナーチームに在籍した経歴があり、資格なしとなったようだ。

 外国人選手といえば、この年、近鉄に入ったミケンズの件で、ドジャースから抗議が来た。昨年までドジャースのマイナーにいたのだが、契約更改を一方的に拒否して近鉄入りを決めたらしい。ただ、ミケンズは「手紙で伝えた。返事がなかったからOKだと思ったんだ」と涼しい顔。

『12球団週間報告』の中日ページでは「男性転換論進言」と何やら意味深なタイトルがあった。もしや、女性選手の誕生かと思ったが、やや気弱な性格から“レディ”の愛称(?)があった中山俊丈が「これからはちょっとしたことにくよくよせずやっていきたい」と誓った、という話だった。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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