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【大学野球】亜大が高校女子ソフトボール部との合同練習で得た成果とは?

 

1月7日、亜大グラウンドで高校女子ソフトボール部3校による合同練習が行われた


 2020年の東京五輪では「野球・ソフトボール」が開催(男子=野球、女子=ソフトボール)される。08年北京大会以来の復活で日本国内の機運も高まりつつあり、共通点の多い球技だ。1月6、7日、亜大グラウンド(東京都西多摩郡日の出町)で画期的なコラボが実現した。

 当初は4校の高校女子ソフトボール部(千厩高[岩手]、藤村女子高[東京]、東海大菅生高[東京]、伊奈学園総合高[埼玉])が、亜大日の出キャンパス内の施設を借りて、1泊2日の合同合宿を行うはずだった(伊奈学園総合高は6日のみ)。

 亜大・生田勉監督は6日、準硬式野球場とサブグラウンドで汗を流していたソフトボール部関係者に声をかけ「どうせやるなら、一緒に練習しましょう!」と、全面人工芝の硬式野球場に案内。野球部とソフトボール部による合同練習が始まった。

 硬式球よりも大きいソフトボールを使用しての内野ノックに、野球部員は悪戦苦闘。また、硬式球でのノックでも、女子部員は軽快なグラブさばきを見せていた。

「ハンドリングが良く、ウチの選手よりも彼女らのほうがうまいですよ。ソフトボールは少しでもジャッグルしたらセーフになるから、ごまかしが利かない。グラブを下から、体の近くで出していかないといけないんです」と生田監督は絶賛した。つまり、腰を低くして捕球し、ムダな動きなく送球する。ソフトボールの基本技術から、学ぶことは多かったという。

 今年3月の全国選抜大会に出場する藤村女子高・西川友理監督は「ふだんは見られないうまい選手を見ることで、世界観が広がる」と成果を強調。千厩高・藤原麻起子監督は「スピード感が違う。守備面においては野球、ソフトボールも考え方は一緒。岩手に帰ってからも反復練習をさせたい」と、思わぬ出会いと、生田監督の配慮に感謝しきりだった。

 4月からの新2、3年生で東海大菅生高は12人、千厩高は13人、藤村女子高は19人と、各校とも部員不足が悩み。だからこそ、合同合宿を組まなければ、実戦練習もままならない現実がある。千厩高・藤原監督は「底辺を拡大していかないといけない」と、女子ソフトボール界の危機感を口にする。今回は双方にとって有意義な2日間となり、こうした地道な交流が今後の競技人口増加、また普及へ向けた一つのきっかけになるかもしれない。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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