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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画75】『特集 危険信号上がる巨人投手陣』【1959年9月16日増大号】

 

2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

巨人の中心打者たちの打撃が湿っているのはなぜ?


表紙は巨人長嶋茂雄


 今回は『1959年9月16日増大号』。定価は10円上がって40円だ。久々にセンターグラビアにカラーページが復活。『炎熱の下の練習』と題し、多摩川での巨人の練習風景だ。

 本文巻頭は『特集 危険信号上がる巨人投手陣』。確かに藤田元司の酷使は心配になる。球宴までの78試合中29試合、201イニングに投げ、18勝4敗、球宴明けの18試合にも10試合、55イニング3分の2に投げている。ただし、後半戦の勝敗は2勝5敗。完全に投げ過ぎによる疲労であろう。

 それでも本人は、

「昨シーズンとくらべて、よくない。いままでの試合で、自分が満足したというピッチングは、ほんのわずかしかない。しかし、今シーズンはあくまで自分のペースを守って投げているから、決して登板回数が多いということは理由にならない。問題はピッチングそのものだと思っている」
 
『ユニフォームを脱ぐか三原と水原』という記事もあった。その中で巨人・水原円裕監督の“契約”について、面白い個所があった。抜粋する。

 水原は過去二十数年、巨人と契約したことはない。

「もう二十年も前になるが、契約してくれと球団に申し出たら正力(松太郎)さんから呼ばれた。社長室に入ると、“水原、契約なんて水臭いことをいうな。オレの眼が黒いうちは悪いようにせん”といわれたんだ。それ以来、契約書にサインしたことはない」

 豪快な話である。

『20敗の速球投手米田の反逆』という記事もあった。不振にあえぐ阪急で孤軍奮闘するプロ4年目の米田哲也だ。8月24日時点で11勝20敗。ただ、これはバックの援護がなかったためで、防御率は2.13と投球内容は悪くない。一時は「バックが点を取ってくれないと、いくらいいピッチングをしても勝てない」と言って非難されたこともあった米田だが、「一戦一戦、勝てるチャンスには確実に勝っていくしかない。これまではシャットアウトしなければとか、三振に倒さなければという気があったが、これからはバックを信頼して打たせて取るつもりだ」と開き直ったようだ。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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