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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

DeNA細川成也の弟・拓哉のポテンシャル

 

兄・成也とは頻繁に連絡を取る。関東大会の前日には「どんどん腕を振っていけ」とエールが届いた


 DeNAの若きスラッガー、細川成也の弟・拓哉のセンバツ出場が濃厚だ(出場校の決定は1月26日)。兄と同じ明秀日立高(茨城)のエースとして昨秋の茨城大会を制すと、関東大会でも準優勝を果たし、春夏通じて同校初となる甲子園出場の切符を引き寄せた。

 兄弟ともに明秀日立高のエース&主軸を担うが、兄・成也が非凡な長打力を買われ野手としてプロの道に進んだのに対して、弟・拓哉は投手としてのポテンシャルが高い。元々は内野手として入部してきたが、金沢成奉監督に素質を見出され、1年夏に投手にコンバートされた。

 本格的に投手に挑戦し始めてわずか1年半。昨秋の時点で試合で使える球種はストレート以外にスライダーのみとまだまだ発展途上ではある。とはいえ、右打者のアウトローに決まる真っすぐは一級品。さらなる伸びシロを感じさせてくれる。

 中学時代はいわきシニアでプレーしながら、中郷中(北茨城市)の陸上部に所属。400メートル走で全国大会出場を果たしており、やり投げでジュニアオリンピック2位の兄と同じく身体能力はズバ抜けている。最速144キロのストレートも冬のトレーニング次第では、150キロに近づいていくだろう。

「正直、関東大会準Vまでいけるとは思っていませんでした」と弟・拓哉は控えめに語るが、目標は「甲子園のマウンドで150キロを出すことです」と力強い。

 この冬は沈む変化球の習得を目指している。「お手本にしているのがDeNAの山崎康晃投手のツーシーム。動画を見ていろいろ勉強しています」と研究を重ねる日々だと言う。

 投手としての経験は浅いが、未完成には大いなる可能性が秘められている。順調に成長していけば兄弟でのプロ入りも夢ではない。

文=滝川和臣 写真=佐藤博
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