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2017記録の裏側

打点“率”は悪くない!巨人・阿部慎之助の凄み/記録の裏側06

 

走者ありで増す集中力


打席での威圧感はチーム1、バッティング技術も超一流だ


 2017年の記録の裏側に迫る短期連載。第6回は巨人阿部慎之助の打撃だ。

 通算2000安打も達成した阿部だが、明らかに力は落ちている。17年は打率.262(リーグ21位)、15本塁打、76打点。ただ、129試合という出場を考えれば“打点率”は決して悪くない。

 実際、走者別の打率で見ても、体が万全でない中、阿部が四番の役割を果たそうとしていたことがうかがわれる。

 走者ありの.313に対し、なしでは.207。これは足の遅さも絡んでくるが、走者の有無で集中力がはっきり違っていることが分かる。

 加えて、阿部の場合、四球と犠飛もある。いくつかケースを挙げよう。

 一、三塁は30打席で、うち25打数8安打、打率.320、ほか2犠飛、3四球、11打点。

 二、三塁は13打席で、うち8打数4安打、打率.500、ほか1犠飛、3四球、1死球、8打点。

 満塁は10打席で、うち5打数4安打、打率.800、ほか4犠飛、1四球、14打点。

 実は、16年も走者ありで.348、なしで.268だった。15年から捕手ではなく打撃重視の一塁に回り、年齢による衰え、故障を抱えた中で、特にこの2年は必死に役割を果たそうとしていたのだろう。

 ただ、気になるのは、本来得意としてきた対右投手への打率.249だ。内角球に差し込まれるケースもあり、自分のイメージよりはスイングスピードが上がっていないのかもしれない。

 いずれにせよ、巨人の四番は2018年もこの男しかいない。果たして完全復活はなるか、それともまもなく39歳のベテランにそこまで期待するのは酷なのか……。

写真=BBM
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