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2017記録の裏側

日本ハム・近藤健介、夢の打率4割はなるのか/記録の裏側07

 

無敵のバッター


昨年序盤は不振のチームの中、まさに孤軍奮闘の活躍だった


 2017年の記録の裏側に迫る短期連載。最終回は日本ハム近藤健介の打撃だ。

 今回は「分析」という「絶賛」になる。故障もあって57試合、231打席に終わったが、69安打、打率.413をマーク。序盤戦低迷が続いたチームの中で孤軍奮闘だった。6月6日限りで離脱となったが、この時点で打率はリーグ1位の.407(2位は西武秋山翔吾の.335)、このときのチーム打率は.244だった。当然警戒され、四球は早くも56(50試合)、出塁率.567、得点圏打率.477と、すべてがすさまじい。

 結局、9月28日に一軍の実戦復帰。以後7試合で打率を.413まで上げ、四球は60(出塁率.567、得点圏打率.458、四球率は.260)。規定打席数到達の中で、打率以外のパの最高は出塁率.426、得点圏打率.379、四球率.162でいずれもソフトバンク柳田悠岐だが、すべてをはるかに上回った。

 もちろん、出場試合が少ないからという意見もあるだろうし、ホームランバッターではない近藤がこれだけ四球が多かったのは、チーム内のほかの打者の状態が悪すぎたからでもある。普通ならもっと勝負され、打率も多少下がっていたかもしれない。

 チーム別では西武戦で39打数20安打、打率.513と完全にカモにし、なかでもウルフは9打席で6打数6安打3四球と打ちまくった。唯一パで打率.350以下が楽天の.269。これは岸孝之に対して7打数1安打.143と打てなかったのが響いている。

 さらにカウント別打率でも0ストライクが.450、1ストライクが.590、本来下がるべきの2ストライクでも.343だ。.322で首位打者となった秋山の.254と比べれば、そのすごさが分かる。つまりは“完走”こそできなかったが、勝負強さ、追い込まれた際の強さ、選球眼など「2017近藤健介」が無敵のバッターだったことが分かる。

 果たして2018年、夢の打率4割達成はなるのだろうか。

写真=BBM
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