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編集部コラム「Every Day BASEBALL」

大谷は早めにエンゼルス入りを決めたが、涌井は……

 

メジャーのマウンドを目指した涌井だったが、今オフのメジャーFA選手の契約の遅さのあおりを受けロッテ残留となった


 メジャーFA選手の動きが遅い。現地時間1月27日になっても大物選手たちの行き先が決まっていない。強豪球団がぜいたく税を抑えるために交渉が難航しているとか、代理人同士が様子をうかがっている等の話も出てはいるが、真相は当事者たちしか分からない。
 
 しかし、これにより多くの選手たちはスプリングトレーニングのスタートが約2週間後になった中で、所属球団が決まらないという事態になっている。どこか不安な日々を過ごしているだろう。このあおりを受けたかたちでメジャー挑戦を表明していた涌井秀章投手は、ロッテに残留することになった。

 もし今オフの流れ上、スプリングトレーニング直前まで粘れたら、もしかしたらメジャー移籍は叶ったかもしれない。しかし、そのとき日本のプロ野球ではすでに第4クールくらいまで進み、実戦の段階に入っている。それも考慮して涌井側は決断したのだろう。

 メジャーのオフ事情として、FA市場に出てくる選手の大物感によりその年のオフの動向が変わる。開幕前にはFA選手が誰かも分かるため、できれば自分のポジションでFA選手が少ないシーズンにメジャー挑戦するのが一番移籍しやすい。ただ、そういうわけにもいかないのが現状で、涌井はある意味今回は「運」がなかったかのかもしれない。

 大谷翔平投手がポスティングシステム入札後、早い段階でエンゼルス移籍を決めたが、それは大谷本人と代理人がFA選手たちの移籍動向に迷惑をかけたくないという配慮であったからなのだが、それが今となっては……。

 だからこそ、あと約2週間と迫った2月中旬からのスプリングトレーニングまでに各球団とFA選手たちがどういう契約を結ぶのか注目したい。

文=椎屋博幸 写真=BBM
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