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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画98】『特集 12球団キャンプイン前夜 組立てられた鶴岡構想の全貌』【1960年2月24日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。おかげ様で、まもなく通算3500号を迎える。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

杉浦忠の自宅の壁に……


表紙は巨人広岡達朗


 今回は『1960年2月24日号』。定価は30円だ。巻頭は南海・杉浦忠の自宅近くでの自主トレ風景だが、少し驚いた。自宅の壁に「よいこのみなさん ここへらくがきやいたずらなどしないようにしてください」と書いた板を打ちつける杉浦の1枚が。確かに、その壁には「杉浦のあほ」「男前のシスターボーイ」と書かれていたが、あえて載せる必要があったのだろうか……。

 中カラーには3年目の巨人・長嶋茂雄。見出しは週べでは初使用の(はず)『ミスター・ジャイアンツ』だ。

 本文巻頭特集は『12球団キャンプ・インの前夜』。日本一南海は、キャンプイン前に独身者に対し、禁酒令が出た。鶴岡一人監督の訓示を紹介しよう。

「これから伸びようとする君たちに、酒と女を断ってほしいと思う。そして一日も早くゼニのとれる選手になって結婚してもらいたい」

 やはり女も断つものなのか。

 一方、大洋の新監督・三原脩は、また違った訓示だ。

「私はマジメな選手なんかほしくない。諸君らは飲みたければ酒を飲むのもいい。遊ぶのもいい。ただし、グラウンドで力を発揮できるかだ」

 座談会は『おれたちは巨人の三銃士』。広岡達朗、藤尾茂、長嶋茂雄の登場だ。「キャプテンは損だ、辞退する」と言って騒動になった広岡だが、それについては、「ただ読売の野郎が書きやがったからさ(笑)。こっちは読売のために働いているのに、ああいうこと書くことないと思う。あれ見たとき、やっぱり球団にもなにかあるんじゃないかという考えが、一番強かったですね」と笑顔の中でもチクリ。

『ニュースストーリー 応援団長もトレーニング』では南海、大洋の応援団長が登場。ここでは大洋の池杉昭二郎団長の話を少し紹介しよう。市電の運転手である池杉団長は、ここ3年間、川崎球場、後楽園球場の大洋戦は1日も欠かさず球場に足を運んでいる。

 そして試合前にさっと立ち上がり、次のようにあいさつするという。

「みなさん、わたしは川崎の名物男・大洋応援団長の池杉です。試合中、大声を張り上げて大洋を応援します。付近のみなさんにはやかましいと思いますが、よろしくお願いします」

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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