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2018キャンプ取材現場発

【巨人】巨大密室の正体は?【キャンプ取材現場発】

 

ライバルのエース攻略へ


バーチャル投球マシンが設置された打撃練習場に入っていく巨人の選手たち


 緑のシートに覆われた巨大なテントの中へ、一人、また一人、吸い込まれるように選手が消えていく……。

 2月1日から巨人が1次キャンプを張る宮崎の、屋内練習施設・木の花ドームでの出来事。この日はあいにくの雨で、一軍のすべてのメニューが屋内で行われたのだが、左翼ファウルグラウンドに、緑のシートに覆われた巨大な仮設テントがある。

 実はこれ、バーチャル投球マシンが設置された打撃練習場。チーム関係者以外には公開されていない秘密の特訓施設なのだが、選手・関係者の話によると、マシンはキンキクレスコ社で、複数の変化球を操り、実在の投球フォームの映像も確認できることで、実戦に近い形で練習ができる。

 2015年の高橋由伸監督就任直後の秋季キャンプから導入されており、16年春は黒田博樹、ジョンソン(ともに広島)、大野雄大(中日)、藤浪晋太郎(阪神)の4人、昨春は井納翔一石田健大(ともにDeNA)の2人の映像を採用した。選手の反応も上々で、引き続き導入されており、今春は薮田和樹(広島)、メッセンジャー(阪神)、今永昇太(DeNA)と昨季の上位3球団のエースクラスの映像を使用する。

 昨季の対戦成績を見てみると、広島・薮田には2勝を許しており、今季開幕シリーズで対戦することが濃厚なメッセンジャーには3戦で2勝を献上。今永に対しては1勝1敗と成績上は苦にはしていないが、昨季は日本シリーズも経験して成長著しい左腕は警戒すべき存在だ。4年ぶりのV奪回を目標に掲げるチームにとっては、ライバル球団のエース攻略は避けては通れぬ道。

 初日から1人120分の打撃練習が課される中、実戦さながらの臨場感を味わえる秘密特訓施設でじっくりと、対策を練る。

文=坂本匠 写真=榎本郁也
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