今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。おかげ様で、まもなく通算3500号を迎える。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 張本勲の自信
今回は『1960年3月2日号』。定価は30円だ。巻頭は巨人の宮崎キャンプ。この年のキャンプインは2月8日となっていたらしい。週べ創刊100号である(高校野球特別号が入り、ナンバリングは連載の回数とは合わない)。
本文巻頭というか、一大特集が『12球団スプリング・キャンプの内幕〜本誌特派記者がつづる現地ルポ』。各球団2ページで、すべてに南海なら
野村克也、
広瀬叔功など「ショート対談」が囲みで入る。ここでは見出しのみ紹介しよう。
「杉浦にあがる危険信号」(南海)
「葛城のコンバートは成功するか」(大毎)
「新しい外人トリオの功罪」(東映)
「川崎監督と中西、豊田、稲尾」(西鉄)
「再起を誓う衆樹」(阪急)
「巨人勢と近鉄勢の対立」(近鉄)
「浜崎コーチと投手陣の間」(巨人)
「金田新監督の人気は?」(
阪神)
「濃人はだれを育てる!」(
中日)
「エース金田のキャンプ生活」(国鉄)
「一本化したチーム力」(
広島)
「“低姿勢”三原の腹の中」(大洋)
キャンプ地一覧もあったので、ついでに紹介する。
南海(1月20日〜2月25日・中モズ、26日〜3月4日・呉二河)
大毎(島原)
東映(2月8日〜月末・伊東、3月1日〜10日・岡山)
西鉄(平和台)
阪急(2月8日〜14日・姫路、15日〜月末・西宮)
近鉄(今治)
巨人(宮崎)
阪神(甲子園)
中日(大分別府)
国鉄(指宿)
広島(2月2日〜24日・呉二河、25日から月末・広島)
大洋(明石。以前あった三保はなくなったのか?)
2個所の球団のみ日付を入れたが、キャンプインの2月8日は、有名無実のものだったらしい。
座談会は越智正典の司会で前年の新人王、東映・
張本勲、大洋・
桑田武が登場。タイトルは『二年目のジンクスはない』だが、2年目のジンクスについて聞かれたときの張本の答えがいい。
「ぜんぜん考えてないですね。だいいちジンクスやらそんな言葉知らんですもの(笑)」
実際、相手投手についても知らなかった1年目より2年目のほうが怖くないと言い切り、さらに「四角い中、これだけでしょ(手でホームベースの型をつくる)。どっか当たると思うですね。向こうもまた、バットに当てんようにという気持ちがあると思うんですけど、どっか当てられると思うんですね、ぼくは」
かなりの自信だ。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM