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【大学野球】大学トップが激励!慶大野球部が始動

 

慶大の2018年の全体練習スタートとなった2月5日、室内練習場に慶大・長谷山彰塾長が激励に訪れた


 慶大の新年の「練習始動日」は全国どこの大学よりも遅い。1月末まで大学の試験があるため、勉学が最優先。今年に限ったことではなく、長く続く伝統として定着している。

 昨年の練習納めは12月17日だったから、1カ月半以上の長期オフ。この間、まったく体を動かしていないのではなく、各自が時間を見つけて自主トレーニングを積んでいる。全体練習が再開し、体が動かなければ即、チーム内競争から外れていく。高い意識と自覚が求められる厳しい世界なのだ。

 2月5日、午前8時50分。全部員がグラウンドに集合し、9時から恒例の安全祈願が行われた。室内練習場でのミーティングを終えると、久しぶりにチーム全体で汗を流した。ここまでは例年の流れだが、午後に“一大イベント”が控えていた。

 13時、昨年5月に就任した慶大・長谷山彰塾長が学生を激励するため、グラウンドに姿を見せた。大学のトップが現場に足を運ぶとは、超異例の動きと言えるだろう。慶大野球部OBに確認しても、過去にないことだという。

 慶大は昨秋の東京六大学リーグ戦で7季ぶりの優勝。長谷山塾長は1月18日、東京都内のホテルで開催された優勝祝賀会に出席している。

 パーティー冒頭のあいさつでは、野球への熱き思いをたっぷりと披露した。長谷山塾長はかつて、学生部長を歴任しており、とりわけ東京六大学野球への関心が高い。

 リーグ戦は20年来、スタンドで観戦しているという。早慶戦開催時に慶大は、応援を優先するため授業が休講となる。だが、一時期、この“習わし”を廃止しようとする動きが出た際には、自ら先頭に立って、休講を継続させた。なぜならば「大学野球とは、全員に喜びを与えてくれる特別なもの」だからだ。学生部長だった当時の野球部員、応援指導部とは現在も付き合いがあり、昨年末にもある学年の同期会に出席したほど。つまり、神宮は塾生(現役)、塾員(OB)を一体とさせる共有スペースであると力説する。

 大学の「顔」である野球部に、長谷山塾長は「気持ちを一つにして、目標に向かって頑張ってください!! 頑張ろう!!」とメッセージを送った。訪問を受けた大久保秀昭監督は「わざわざ来ていただき、本当にありがたいことです」と感謝の言葉を述べた。

 部員たちにとっても、さまざまなサポートがあって活動ができる現実を知る、貴重な機会となったはずだ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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