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“捕手・岡島豪郎”が楽天優勝のキーとなる!

 

岡島の存在が楽天を優勝へ近付ける


 野球選手の中でも、守備のスペシャリストと呼ばれる選手たちは地味ながら人気が高い。派手さはなくとも、華麗なプレーでチームのピンチを救い、見る人を魅了するからだろう。

 一方で、ユーティリティーと呼ばれる選手たちもいる。内野ならどこでも守れたり、守備力は多少劣るとしても、投手以外すべてのポジションを守れたりするなど、そのあり方はそれぞれ。スペシャリストに比べ人気こそ劣るがその存在は大きい。

 ケガで離脱した選手やアクシデントで途中退場した選手の穴を埋め、どんな状況でも凜とした表情でグラウンドに向かう。彼らもまた、チームの勝利には欠かせぬピースであることは間違いない。

 ユーティリティーとは少し違うが、楽天では昨年、銀次が二塁に挑戦しチームを何度も救った。ケガによりフル出場が厳しい藤田一也のサポートとして練習を始めたのがきっかけではあるが、その守備力の高さも評価され、代役としてという印象は消してしまった。

 普段一塁を守る銀次が二塁に入ることで、攻撃のバリエーションも増え、試合終盤には藤田が二塁、銀次が一塁と守備力を強化しつつ、攻撃力もほぼ変わらないという状況も作り出すことができた。また、遊撃の茂木栄五郎の負傷離脱により手薄になった内野陣だったが、その穴を感じなかったのは銀次の存在も大きかったと言える。

 そんな楽天が、今季も選手を複数ポジション守らせようとしている。それが岡島豪郎だ。現在は外野手としてレギュラーをつかみつつある岡島だが、キャンプではブルペンに入るなど、万が一に備えて捕手としても準備を始めた。「恐らく捕手2人制になる中で、保険になる」と梨田昌孝監督。これで攻撃の手数はさらに増えそうだ。

 捕手として入団した岡島だが、2014年以降、公式戦でマスクはかぶっていない。そんな中、久々にプロの球を受け「怖かった」と本音も。それでも、「何が起きてもいいように準備をしたい」と力強く語った。

 岡島が捕手として出場する機会は少ないだろうが、この攻めの守備力が今季のチームにどのような好影響を与えるのだろうか。捕手・岡島が優勝のキーマンとなり得る可能性は十分にありそうだ。

文=阿部ちはる 写真=神山陽平
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