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プロ野球デキゴトロジー/2月11日

笑顔でサバイバルのゴング! 阪神の“PKO問題”勃発【1993年2月11日】

 

中央で握手するのは郭李とオマリー(右)、そのさらに右がパチョレック


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は2月11日だ。

 1993年2月11日、この日から安芸キャンプに合流したパチョレック、オマリーと、新助っ人・郭李建夫阪神の首脳陣とナインに囲まれ、笑顔で握手をしている。

 前年の92年、猛虎快進撃の象徴は「シンカメ」こと新庄剛志亀山努だったが、メーンエンジンとなったのは、オマリー、パチョレックのバットだった。

 中村勝広監督は「今度こそ優勝」とオリックスに若きエース候補・野田浩司を放出してまで、強打者・松永浩美を獲得、さらにバルセロナ五輪銀メダルの台湾のエース、郭李の獲得に成功した。

 ただ、問題は使い方。ポジション的な部分はまだましで、松永は三塁でオマリーとかぶるが、これはオマリーを91年に守った一塁に回し、一塁のパチョレックを外野にすればすむ。ただ、当時は一軍登録できる外国人選手は2人。郭李を使うなら、この2人のうちどちらかを外さなければいけない。

 のち3人の頭文字を取り「PKO問題」とも言われたサバイバルだ。首脳陣も気をつかい、この前夜、オマリー、パチョレックを食事に誘い、起用法についての説明をしていたようだ。

 結局、開幕はオマリー、パチョレックだったが、パチョレックは不振と腰痛もあって途中退団。ただ、その年、大不振なのにファン投票2位でオールスターに出場するなど、92年への感謝は虎ファンの中でも強かったようだ。

写真=BBM
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