週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

中田翔の充実

 

逆襲に向けて、アリゾナで充実のキャンプを送っている中田翔


 中田翔が変わった。

 アメリカ・アリゾナ州スコッツデールで行われている日本ハムのキャンプ。その中で充実した表情でナインをけん引しているのが新キャプテンにも就任した中田だ。例年はどちらかというとスローペースで調整していくスタイルだったが、今年はキャンプ初日から若手に負けじと精力的な動きで連日汗を流している。

 一塁の守備練習では注目の黄金ルーキー・清宮幸太郎に身振り手振りで熱心にアドバイスを送る場面も何度も見られ、「キャプテンって何なのかなって思うけどね。キャプテンがいるのかな」と周囲には冗談めかしていたが、いざ始まってみればグラウンド内外でひと際存在感を放つ背番号6の姿がある。

「何もいいところなんてなかった。野球が本気で嫌いになりそうになった」と振り返る昨シーズンは、自己ワーストの成績で苦しみ続けた。そんな中で指揮官から球団納会の席で新キャプテンの打診があり、中田の中でも「何かを変えないといけない」という思いが芽生え、野球人生初の大役を引き受けた。

 チームの要であった大谷翔平が抜け、打線の軸を担うのは不退転の決意で挑むこの男しかいない。「昨年のような悔しい思いはもう2度としたくない」とアリゾナの空の下で黙々と牙を研ぐ中田。本気になった悩める主砲が2018年型ファイターズの命運を握り、V奪回の大きなキーマンになってくれそうな期待感がいま漂っている。

文=松井進作 写真=高原由佳
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング